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やせた土地でも植物育ちやすく 島根大など、根を改変

島根大学の蜂谷卓士助教や同大大学院の門田宏太氏らは植物の根を窒素やリンなどの栄養を取り込む能力を高めた別の株の根に置き換えることで、栄養が少ない場所でも育ちやすくすることに成功したと発表した。少ない化学肥料で育つ作物の開発につながる可能性がある。

シロイヌナズナを使い、細胞膜を通した物質のやりとりの能力を高めた株を開発した。この株は細胞内から水素イオンを排出する能力が高く、代わりに外から窒素やリン、カリウムなどの栄養を取り込みやすい。ただこの株は葉が乾燥しやすく、実験室などの管理された環境でしか生きられない。そこでこの株の根を通常のシロイヌナズナの株に接ぎ、根のみ特殊な性質を持つ新しい株を作った。

窒素やリンなどの量を通常の約4%まで減らした環境で育てると、同じ条件で育てた普通の株よりも重さや葉の大きさが約3割増えた。茎や葉などに含まれる栄養の量も2~6割多く、栄養が少なくても育ちやすかった。ただ通常の栄養量で育てた普通の株よりは発育が悪かった。今後、どれくらいの栄養量なら通常の条件と同様に育つかを調べる予定だ。

栄養を取り込む能力が高まる原因となる遺伝子の変異は既に分かっているという。トマトなどの作物でも、遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集で変異を起こした株の根を接げば、少ない栄養で育つ株を作り出せる可能性がある。

遺伝子組み換え技術を使えば、根を接ぐ作業を経なくても根のみ特殊な性質を持つ株を作ることが可能だ。ただ消費者が遺伝子組み換え作物を受け入れるかは不透明で、今回の技術を農作物に応用する場合はゲノム編集技術を用いることになるとみられる。

化学肥料はコストが高まっている上、大量に使うと環境汚染の原因にもなる。使用量を抑えられれば持続可能な農業の実現にもつながる。研究には東京大学や名古屋大学、中部大学も参加した。

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