伊藤忠、SAFを輸入 フィンランド社から

伊藤忠商事は16日、持続可能な航空燃料(SAF)を輸入し国内で商用展開すると発表した。SAF大手のネステ(フィンランド)と独占販売契約を結んだ。2022年春にも羽田空港と成田国際空港で国内外の航空会社に供給を始める。22年は最大1万トン規模の輸入から始め、今後拡大する。航空業界ですすむ脱炭素化に対応するため、安定供給できる体制を整える。
ネステのSAFは廃食用油や動物油脂などを原料とし、化石燃料由来と比べて二酸化炭素(CO2)の排出を減らせる。従来のジェット燃料に混ぜて使うことができ、主に欧米で販売が広がっている。20年には全日本空輸(ANA)がネステからSAFを調達した。
国土交通省は30年までに国内航空会社の燃料使用量のうち10%をSAFに置き換える目標を掲げている。伊藤忠は独占販売権の獲得で商用規模のSAFを確保し、航空会社に売り込む。ネステはシンガポールの製造拠点の拡張を計画中で、23年から増産に入る。生産量や需要拡大に応じて、日本向けの輸入量も増やす方針だ。

SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略語で、国連サミットで2015年9月、全会一致で採択された世界共通の行動目標。国や民間企業の取り組みに関する記事をお読みいただけます。