国内線旅客、10月は旅行支援で回復 JALは19年比88%

全日本空輸(ANA)は15日、10月の国内線旅客数(速報値)が前月比20%増の約319万人となったと発表した。2019年比8割弱の水準で、月次ベースでは新型コロナウイルスの感染拡大以降で最高水準となった。
先に発表した日本航空(JAL)も10月の国内線旅客数(速報値)が約288万人と前月比23%増えた。19年同月比で88%と、月次ベースでコロナ下で最高だった。
9月は新型コロナウイルス禍の感染第7波や台風の影響で、国内線旅客数の19年比はJALが71%、ANAは6割強だった。10月は「第7波の収束と全国旅行支援の効果で回復した」(ANA)。ANAは21年に自社便の一部を格安航空会社ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)に移管したため、19年比の数字が押し下げられている面もある。
政府の観光振興策「全国旅行支援」は12月下旬までの予定。JALは11月に145便の臨時便を計画しており、旅客数は「19年比9割超えが期待できる」(広報担当者)という。ただ北海道で新規感染者が増加するなど、新型コロナの感染第8波の懸念も強くなっている。
両社の国際線旅客数は10月時点でも、19年同月比4~5割にとどまっている。