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ユニチャーム純利益最高 21年12月期、高価格シフト進む

ユニ・チャームが15日発表した2021年12月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比39%増の727億円となり、3期ぶりに最高を更新した。生理用品では高価格帯へのシフトを進めるとともに、乳幼児用おむつでは複数のブランドを使い分けて価格競争の影響を極力抑えた。原材料高が続くなかで一層の高機能路線を続けられるかが業績拡大を左右する。

売上高は8%増の7827億円、本業のもうけを示すコア営業利益は7%増の1224億円だった。売上高に対するコア営業利益率も15.6%と高水準だった。ユニチャームの業績の好調さは海外の競合と比べても際立つ。米キンバリー・クラークの21年12月期の営業利益は21%減り、営業利益率も13%と3.8ポイント落ちた。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は10~12月期は前年同期比4%の営業減益だ。

ユニチャームの業績をけん引したのは、国内やアジアで投入した高価格の生理用品と大人用おむつだ。これらの製品は価格競争が厳しい乳幼児用おむつより採算がいい。高価格帯の投入による商品構成の改善と販売数量の増加であわせてコア営業利益を293億円押し上げ、物流費(60億円)や原材料関連(83億円)といったコスト増を補った。

生理用品はオーガニックコットンを100%使用した商品や、蒸れにくい冷感加工を施した商品を新たに投入して中国やインドネシアなどで売り上げを伸ばした。国内でも素材の質や機能を高めた高付加価値製品を投入した。国内での生理用品の価格帯別の内訳は21年12月期が高価格が8%、中価格が72%、普及価格は20%だった。19年と比べ高価格の比率を5ポイント高める一方で普及価格を4ポイント下げ、採算を保った。

乳幼児用おむつでも、ユニチャームは高価格帯と普及価格帯のブランドのすみわけが機能している。高価格帯の「ムーニー」と普及価格帯の「マミーポコ」をそれぞれ展開することで、ムーニーの値崩れを防ぎやすい。競合は単一ブランドで様々な価格帯の商品を手掛けているため、安い方に引きずられやすいとされているのとは対照的だ。高価格帯の生産も国内にこだわらず、現地に振り向けている点もコスト面で優位だ。

先行きへの懸念はいくつかある。まずは新型コロナウイルス下で生まれた需要の反動だ。「国内マスクの成長には限りがある。東南アジアでは今後、新型コロナウイルス禍の買いだめの反動が出るだろう」(国内証券アナリスト)との指摘もある。実際、21年12月期の純利益が市場予想平均(QUICKコンセンサス)の784億円に届かなかったのも、こうしたことや販促費の増加が響いたとみられる。

22年12月期の業績予想は純利益が前期比9%増の792億円、売上高が9%増の8500億円を見込む。高価格帯の拡充と海外事業の拡大を進めるが、原材料高の影響は174億円と前期より広がるとみる。高原豪久社長は15日の記者会見で「利益率の低い商品を縮小してコスト増に対応する。既存製品の値上げは想定していない」と話した。ただウクライナ情勢などの先行きは不透明で、原油高がいつ落ち着くかは見通せない。

株式市場も原料高などを警戒している。15日のユニチャーム株の終値は21年9月につけた昨年来高値(5208円)を18%下回り、21年末と比べた下落率は14%と日経平均株価(7%)よりもきつい。思惑どおりに高価格帯シフトが今後も進められるかが試されている。(増田由貴)

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