住友大阪セメント、半導体製造装置部品の生産能力2倍に

住友大阪セメントは15日、シリコンウエハーの固定に使う半導体製造装置の主要部品の生産能力を引き上げると発表した。市川事業所(千葉県市川市)と船橋事業所(千葉県船橋市)に生産ラインを増設する。同部品の生産能力を2022年度中に21年度比で2倍に高める。半導体需要の高まりで装置メーカーからの需要が増えており、供給体制を増強する。
増産するのは「静電チャック」と呼ばれる部品だ。住友大阪セメントでは市川事業所で生産したセラミックプレートを船橋事業所に運び、最終製品に組み立てている。現状ではいずれの拠点もフル稼働の状況が続いている。今回の生産能力の増強には数十億円を投じる。
静電チャックに電圧をかけることで生じる静電気の力で、シリコンウエハーを加工面の裏側から固定する。物理的な力が加わりにくいため、より精密な加工が可能となるという。国内では日本ガイシや新光電気工業なども手掛けている。
住友大阪セメントは売上高の約90%を占めるセメント関連事業に加えて、通信や半導体関連の高機能部品や部材も手掛ける。このうち静電チャックを含む新材料事業は、22年3月期通期の営業利益が約30億円を見込む。営業利益率は21%を見込み、収益力は高い。