大日本印刷、街灯に巻ける5Gフィルム型アンテナ開発

大日本印刷(DNP)は14日、高速通信規格「5G」の「サブ6」と呼ばれる周波数帯に対応し、直径15センチメートルの細い円柱にも巻き付けられるフィルム型アンテナを開発したと発表した。
DNPは、5Gで使うサブ6帯(3.7ギガヘルツ帯や4.5ギガヘルツ帯など)の電波は通信距離が短くなるため、基地局とアンテナを多数設置する必要があり、街灯や電柱、建物の内部や外壁などにも違和感なく設置できるアンテナの需要が高まると見込む。
そこで、形状や給電線の設計を工夫することで、各通信事業者に割り当てられている100メガヘルツ以上の帯域幅に対応しながら、直径15センチメートルの円柱にも巻き付けられるフィルム型アンテナを開発した。
加えて、DNP独自のEB(電子線)コーティング技術を使って耐候性を高め、電柱など屋外での設置も可能とした。さらに、木目調などの意匠性を付与することで、景観を損なうことなく設置できるようにした。
DNPは、3月に関西電力の通信子会社オプテージ(大阪市)と共同で実証実験を行い、意匠付きフィルム型アンテナを使った5Gのサブ6帯での通信に成功したという。2023年度の量産化に向けて、各種通信関連会社と共同で機能検証を進める。25年に10億円の売り上げを目指す。
(日経クロステック/日経ニューメディア 田中正晴)
[日経クロステック 2022年4月14日掲載]
関連リンク