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タイ初のユニコーンはEC支える物流の大型新人

フラッシュ・エクスプレスはEC事業者向け宅配サービスを手掛け、急成長した(同社提供)
CBINSIGHTS
タイで物流スタートアップ、フラッシュ・エクスプレス(Flash Express)が新たな資金を調達し、同国で初のユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)となった。2017年に創業し、EC(電子商取引)事業者の集荷や宅配を請け負い急成長した。新型コロナウイルス禍によるサプライチェーン(供給網)の混乱やEC市場の拡大で、世界的に物流技術への投資が増えている。CBインサイツがタイ物流業界の大型新人フラッシュ・エクスプレスの実績や競合を分析した。

タイのEC物流スタートアップ、フラッシュ・エクスプレスがシリーズDのエクステンションラウンドとシリーズEで計1億5000万ドルを調達した。タイのベンチャーキャピタル(VC)のSCBテンエックス(SCB10X)、中国のeWTP基金、シンガポールの不二資本などが参加した。

フラッシュ・エクスプレスの実績

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

・タイに拠点を置くフラッシュ・エクスプレスは、主にEC事業者向けの集荷・宅配や物流サービスを手掛ける。同社は子会社とともに大型品の配達、荷物の保管、宅配、金融サービスを提供している。

・タイ全1都76県に1日最大200万個の小包を配達できるとしている。タイ全域に配達車両1万5000台を擁するほか、23カ所の仕分けセンター、1300カ所の配送センター、1万店の取次店がある。

・配達代行業者や配達員は2万7000人に上り、黒字化を果たしている。

(出所:フラッシュ・エクスプレス)

なぜ物流市場が重要なのか

・米調査会社アライド・マーケット・リサーチの予測では、世界の物流市場は年6.5%拡大し、2027年には7兆6410億ドルに達する。

・新型コロナウイルスの感染拡大により、20年にはネット通販の成長が加速し、医療用品など消費財の需要が増えた。

・世界のサプライチェーン(供給網)・物流テック部門への投資が増えており、投資件数は20年だけで400件に達した。

競合企業は

・ケリー・エクスプレス(Kerry Express、タイ=親会社は香港、上場):法人顧客を対象にオフィスや事業拠点に荷物を配達する。調達資金総額は1億8300万ドル(未上場時)。

・ベスト・エクスプレス(Best Express、タイ=親会社は中国、未上場):サプライチェーンの管理、倉庫での保管、物流を手掛ける。19年6月に中国のEC最大手アリババ集団から出資を受けた(金額は非公表)。

・ニンジャバン(Ninja Van、シンガポール、未上場):テクノロジーを活用した物流サービス業者。調達総額は3億9850万ドル。

誰がフラッシュ・エクスプレスに投資しているか

投資家:

・フラッシュ・エクスプレスのシリーズDのエクステンションラウンドとシリーズEにはSCBテンエックス、不二資本、eWTP基金、タイの石油ガス最大手PTTの小売子会社PTTオイル・アンド・リテール・​ビジネス(PTTOR)、タイの飲料・スナック大手TCPグループ傘下の物流・小売りダーベル、タイのアユタヤ銀行傘下のクルンシィ・フィノベート、タイの印刷会社CSPなどが参加した。

調達額と企業価値:

・調達総額:3億6000万ドル

・企業価値:10億ドル

次の一手は

フラッシュ・エクスプレスは調達資金を次の分野に振り向ける。

・東南アジア以外にも事業を拡大する。

・21年に人員を3万人以上に増やす。

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