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自動運転トラックで物流刷新 新興テック26社の横顔

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CBINSIGHTS
自動運転トラックや貨物車両の運行管理を手がけるスタートアップやテクノロジー企業が世界で広がっている。自動運転トラックはまだ一般的な存在ではないが、技術を巡る競争は激しさを増している。効率的に輸送する仕組みを構築し、物流業界の変革に挑む欧米やアジアの新興テクノロジー企業26社を紹介する。

自動運転の分野では乗用車に注目が集まりがちだが、自動運転技術は世界のトラック輸送や物流業界にさらに大きな影響を及ぼそうとしている。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

自動運転トラックは世界の高速道路でまだ当たり前にはなっていない。だが、自動運転トラック技術はこのところ進化しており、間もなく現代の物流事業に不可欠な存在になり、多くの運転手にとっても日常の光景になりそうだ。自動運転トラック輸送が実用化すれば、大幅な効率向上とコスト削減に加え、新型コロナウイルスの感染拡大のような混乱時に不足が発生する多くのサプライチェーン(供給網)の重大な弱点を補う可能性がある。

投資家はこの分野への関心を高めつつあり、ここ数年は自動運転トラック輸送を手がけるスタートアップの大型ラウンドに出資している。

最近の自動輸送技術の進歩により、トラック自体も変わりつつある。自動車メーカーはトラックの運転席を移動オフィスにし、高速通信規格「5G」などの無線通信技術を通じて送電網に全面的につながる未来を描いている。一方、車両だけでなく、車両の運行管理や配送マッチングなど周辺技術の業界全体が物流や配送の解決策を提供するようになっている。

こうしたテクノロジーは食品から製品の原材料、ネット通販での衝動買いに至るまでありとあらゆるモノの輸送を支える一方、人間が制御する必要性を最小限にする。

今回のリポートでは、自動トラック分野の既存・新興企業について調べた。企業はテクノロジーごとにまとめ、公表ベースでの調達総額が多い順に並べた。

(注)このリストはこの分野の企業を網羅してはいない。企業は複数のカテゴリーにまたがる場合がある。

自動運転

自動運転技術は投資家や運送業者に最も大きな機会をもたらす分野の一つだ。ただし、機会と潜在市場はかなり大きいが、ハードルも高い。自動運転システムの研究開発には膨大なコストがかかる可能性がある上に、この分野の競争はすでに激しい。

この分野で破壊的な影響力を及ぼそうとする新興スタートアップは、自社を差別化し、急成長しつつある自動トラック輸送エコシステム(生態系)で存在感を確立するために懸命に励まなくてはならないだろう。

ウェイモ(Waymo)
▽調達総額:57億ドル
▽ステージ:属性不明のVC
▽創業:2009年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米物流大手ライダーシステム、独ダイムラー、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA、現・欧州ステランティス)

米アルファベット傘下で自動運転技術の開発を手がけるウェイモは09年、米グーグルの自動運転車開発プロジェクトとして発足した。同社の名前が最も知られているのは、米アリゾナ州フェニックスとその郊外でのロボタクシーサービス「ウェイモ・ワン(Waymo One)」だろう。最近では、サンフランシスコとニューヨーク市でも試験運行している。

さらに、自動運転トラックによる貨物輸送プログラム「ウェイモ・ビア(Waymo Via)」にも力を入れている。21年夏には自動運転トラック輸送事業の拡大計画を発表した。テキサス州ダラスにトラック輸送拠点を建設し、車両運行管理でライダーと提携する。

ウェイモはアルファベット、グーグル、米アンドリーセン・ホロウィッツ、米ティー・ロウ・プライス、米タイガー・グローバル・マネジメントなどそうそうたる企業の出資を受け、ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達による総額は何と57億ドルに上る。このリストの自動運転トラック輸送プレーヤーでは断トツの資金力を誇っている。 
□智加科技(Plus)
▽調達総額:8億4200万ドル
▽ステージ:オプション/ワラント(新株引受権)
▽創業:2016年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米アマゾン・ドット・コム、米タイヤ大手グッドイヤー

智加科技は19年、自動運転トラックで米国横断輸送を果たしたと発表し、メディアに大きく報じられた。これまでで最長となる2800マイルをわずか3日で走破した。同社は中国の物流大手、順豊控股(SFホールディング)と提携し、中国国内各地の公道で自社技術を実証実験している。年内には中国の国有自動車大手、第一汽車集団とともに、智加科技の自動運転システムを搭載したトラックの量産に乗り出す。

アマゾンは智加科技の自動運転技術に関心を示している。アマゾンはこのほど、自社の物流車両に搭載するために智加科技の自動運転システム1000台を注文し、智加科技の優先株約20%の購入権を取得した。
図森未来科技(TuSimple)
▽調達総額:6億5100万ドル
▽ステージ:上場(新規株式公開=IPO)
▽創業:2015年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米商用車大手ナビスター・インターナショナル、米保険大手リバティ・ミューチュアル、スウェーデンの商用車大手スカニア

人工知能(AI)と機械学習の専門家、Hou Xiaodi(侯曉迪)氏が15年に共同創業した図森未来は、車両誘導システムを開発している。ナビスターや独フォルクスワーゲン(VW)の大型トラック部門「トラトン」と提携し、専用の自動運転トラックも製造している。図森未来の自動運転トラックはすでに長距離走行を数回完了し、ライダーのトラックステーションをターミナルとして使っている。図森未来は21年4月、IPOの一環として13億5000万ドルを調達した。
嬴徹科技(Inceptio Technology)
▽調達総額:4億9100万ドル
▽ステージ:シリーズB
▽創業:2018年
▽国:中国

上海に拠点を置く嬴徹科技は自動運転トラック支援技術の開発を手がけ、中国の自動車メーカー大手、東風汽車集団や同トラック大手の中国重汽(シノトラック)など中国国内の自動車メーカーと提携している。21年8月にはシリーズBで2億7000万ドルを調達した。中国の車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)や英エイトローズベンチャーズ、中国のIDGキャピタル、中国の食品宅配最大手の美団、中国の蔚来資本(NIOキャピタル)などが参加した。
コディアック・ロボティクス(Kodiak Robotics)
▽調達総額:1億6700万ドル
▽ステージ:シリーズB
▽創業:2018年
▽国:米国
▽最近の提携相手:順豊控股

コディアック・ロボティクスはこの分野で最も有望な自動トラック輸送スタートアップの一つだ。独BMWのiベンチャーズやタイヤメーカーのブリヂストンなど大手自動車関連ブランド数社から出資を確保している。21年5月には韓国財閥大手SKグループとの提携を発表した。これにより、コディアックはアジアの輸送市場で勢力を拡大する。これは1兆5000億ドルを超える可能性が見込めるチャンスだ。SKの物流やハードウエア製造部門はかなり広範囲に及んでいるため、コディアックのテクノロジーはSKの多くのグループ会社で垂直統合される可能性がある。そうなればコディアックの地位はさらに強固になる。
ガティックAI(Gatik AI)
▽調達総額:1億2400万ドル
▽ステージ:シリーズB
▽創業:2017年
▽国:米国
▽最近の提携相手:センサー大手の米ベロダイン・ライダー、いすゞ自動車、カナダの食品流通会社ロブロウ・カンパニーズ

ガティックAIはBtoB(法人向け)の短距離物流に特化している。マイクロフルフィルメントセンター(小型の受注配送センター)やダークストア(オンライン注文専用の配送拠点)から、小売店などピックアップ地点までの「ミドルマイル」配送に力を入れている。

ガティックAIは19年にステルスモード(自社のサービスや製品を外部に公表しない状態)から姿を現し、米ウォルマートやロブロウなどの小売りと実証実験に乗り出した。21年8月のシリーズBで8500万ドルを調達したのを受け、事業をさらに拡大する計画を発表した。
エンバーク(Embark)
▽調達総額:1億1700万ドル
▽ステージ:上場(特別買収目的会社=SPACとの合併)
▽創業:2016年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米半導体大手エヌビディア

16年に創業したエンバークは、輸送自動化を手がける企業の急成長株だ。同社は運送業者にソフトウエアをライセンス供与し、走行距離に応じて使用料を徴収する。物流各社は既存の車両にエンバークのソフトウエア「ドライバー(Driver)」を搭載できる。

エンバークは米国で最も長く続く自動運転トラックプログラムの一つを運営している。21年11月にはSPACのノーザン・ジェネシス・アクイジション・コープⅡとの合併を通じて上場したと発表した。
ペロトン・テクノロジー(Peloton Technology)
▽調達総額:8600万ドル
▽ステージ:シリーズB
▽創業:2013年
▽国:米国
▽最近の提携相手:車両運行管理ソフトウエアの米オムニトラックス

ペロトン・テクノロジーはトラックの隊列走行に特化した自動運転技術を開発している。常時接続のレーダーセンサーと先頭車両と後続車両の車車間通信により、自動トラック輸送の安全性を高める。ペロトンは自社のシステムの燃費性能が有人トラックの業界標準を上回ったことも明らかにしている。
アイク(Ike)
▽調達総額:5200万ドル
▽ステージ:自動配送技術を手がける米ニューロによって買収
▽創業:2018年
▽国:米国
▽最近の提携相手:ライダーシステム

アイクはアップルやグーグル、米ウーバーテクノロジーズの自動運転開発部門「アドバンスド・テクノロジー・グループ」の元社員が18年に創業した自動運転トラック輸送スタートアップだった。同社は20年末、自動配送技術を手がける米ニューロ(Nuro)によって買収された。買収額は公表されていない。買収される前には、独DHLやライダーシステムなど物流大手と提携し、自動運転技術を実証実験していた。ニューロは長距離物流よりも自動配送に力を入れているため、アイクの運転支援ソフトをどう活用するのかは不明だ。
ロコメーション(Locomation)
▽調達総額:1300万ドル
▽ステージ:社債
▽創業:2018年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米交通研究センター(TRC)、独エネルギー大手エーオン、独自動車部品メーカーZF

米ペンシルベニア州ピッツバーグに拠点を置くロコメーションは18年に創業した。自動運転トラック輸送分野の他の多くの企業とは違い、運送会社に支援技術を搭載した安全で効率的なトラックを提供するために車両を自社で開発している。同社のトラックは米ケンワースのトラック「T680」をベースとし、ステアリングやブレーキ、パワートレーン自動システムなど遠隔で操作できる多くの自動化技術を搭載している。

ロコメーションは米ウィルソン・ロジスティクスと米PGTトラッキングと提携し、隊列走行システム「オートメーション・リレー・コンボイ(ARC)」を提供している。ARCでは人間が運転するトラックに自動運転トラックが「追走し」、2台目の運転手は休憩できる。ロコメーションによると、21年7月時点のARCの契約件数は2120件だった。
オートボン(Autobon)
▽調達総額:150万ドル
▽ステージ:社債
▽創業:2016年
▽国:米国

オートボンは16年に創業し、19年に米イリノイ州で自動運転セミトラックの試験走行を開始した。同社は人間のドライバーの運転能力を強化する支援技術に特化している。運転支援プラットフォーム「バイザー(Visor)」では、運転手に道路や気象状況についてのデータを提供する。さらに、セキュリティーシステム「カーゴカム(Cargo Cam)」により、積み荷のモニタリングサービスを手がけている。トラック内部をモニタリングし、車両の運行管理の担当者に積み荷のセキュリティー、配達状況、在庫水準についてリアルタイムの状況を伝える。
トークロボティクス(TORC Robotics)
▽調達総額:79万ドル
▽ステージ:ダイムラーによって買収
▽創業:2005年
▽国:米国
▽最近の提携相手:独ダイムラートラック、アマゾン、仏交通大手トランスデブ

トークロボティクスは自動運転車の商用化に向け、ダイムラートラックや自動運転技術を開発する米ルミナー・テクノロジーズなどの業界リーダーと提携している。同社のシステムは「見て、考えて、行動する」アプローチを取り、カメラやセンサー、ライダーを搭載している。ダイムラートラックは19年、トークロボティクスの過半数株を取得した。

車両の運行管理

自動運転トラックの安全な運行は最優先事項だが、自動輸送車も運送業者にとって特有の課題がある。このため、車両の運行管理ソフトウエアも投資家に大きなチャンスをもたらす分野になっている。

車両の運行管理にはリアルタイムでの車両の追跡、運転手のコミュニケーションや安全性の改善、燃料の消費のモニタリング、走行ルート選定の最適化などがある。

サムサラ(Samsara)
▽調達総額:12億3000万ドル
▽ステージ:上場(IPO)
▽創業:2015年
▽国:米国

サムサラはクラウドベースの車両運行管理プラットフォームを手がける。運送業者向けのツールに加え、エネルギー効率のモニタリング、リアルタイムの資産メンテナンスのデータ、規制順守ツールなどデータを駆使した広範なサービスを提供している。同社のサービスを活用することで、車両運行管理の担当者は業務を概観しやすくなる。サムサラは21年12月15日、株式上場した。上場前の企業価値は推定63億ドルで、現在は2万を超える顧客にサービスを提供している。
キープトラッキン(Keep Truckin)
▽調達総額:4億1700万ドル
▽ステージ:シリーズE
▽創業:2013年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米半導体アンバレラ、アプリ内チャットプラットフォームの米センドバード、米エコー・グローバル・ロジスティクス

キープトラッキンは車両運行管理ソフトウエアを手がける。燃料の利用状況や、(運転中の)携帯電話の使用など運転手の安全性の問題について監視する電子運行記録装置(ELD)、配車やトラックの位置追跡など様々な機能を車両運行管理の担当者に提供する。さらに、同社のプラットフォームでは農業や建設、石油・ガス掘削、旅客輸送など特有の業界向けツールも手がける。同社は右肩上がりで成長しており、19年以降の調達総額(公表ベース)は3億4000万ドルに上る。
スマートドライブ(SmartDrive)
▽調達総額:2億8600万ドル
▽ステージ:オムニトラックスによって買収
▽創業:2004年
▽国:米国
▽最近の提携相手:化学品商社の独ブレンターク、輸送・サプライチェーン管理の米アベリット・エクスプレス、冷蔵運送の米CRイングランド

スマートドライブは車両に搭載された映像センサーとリアルタイムのデータ分析を組み合わせ、走行中の運転手の安全を守る車両インフォマティクス(情報工学)を手がける。20年9月にオムニトラックスに4億5000万ドルで買収された。スマートドライブのリスク分析ツールは積み荷の重量や在庫の種類、天候、運転手の集中度などに基づいて運転手や積み荷の安全リスクを明らかにする。買収される前のスマートドライブの走行距離は250億マイル近くに上り、「重大事故につながりうる事象」は3億回に達した。
デサイシブ(Decisiv)
▽調達総額:5100万ドル
▽ステージ:グロースエクイティ
▽創業:2001年
▽国:米国
▽最近の提携相手:ダイムラートラックス・ノースアメリカ、米トラック大手ナビスター、米計測機器メーカーのトリンブル

デサイシブは車両運行管理の最古参企業の一つだ。同社のサービス関係管理(SRM)プラットフォームにより、運送業者はトラックの安全な運行に欠かせないメンテナンス・修理の状態を追跡できる。同社のプラットフォームの導入件数はここ数年、堅調に増えている。20年初めの「サービスイベント(トラックの修理・点検を指す社内用語)」でのSRMの利用件数は1500万件だったが、20年末には1800万件に達した。運転手と車両の安全を維持するためにデサイシブのプラットフォームを導入しているトラックは、今や全米で約7万5000台に上る。
ロコナブ(LocoNav)
▽調達総額:4400万ドル
▽ステージ:シリーズB
▽創業:2015年
▽国:インド

15年創業のロコナブは運送業者に全地球測位システム(GPS)サービスを提供している。様々なGPSサービスのほか、車両の状況、燃料の使用状況、運転手の安全、個々の車両の割り当てや走行ルート、車両のセキュリティー対策をリモートで監視できる車両運行管理の総合プラットフォームを提供している。同社のサービスは25カ国の運送業者に活用されている。さらに、乗用車や自転車、スクールバス用のGPSトラッカーなど、非商用の輸送サービスも手がける。
アイデリック(Idelic)
▽調達総額:3200万ドル
▽ステージ:シリーズB
▽創業:2016年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米化学品輸送会社のクオンティクス

保険は輸送車両に必要な最大のコストの一つで、リスクが高いと保険料も上がる。このため、アイデリックは車両運行管理の担当者の業務を改善して円滑化し、運転手の安全を推進することで、物流会社の保険料削減を目指す。アイデリックの運転手管理プラットフォームは予測アルゴリズムによる運転手のリスク検知や、運転手の問題行動を是正する措置の実施、保険金の請求、運転手の証明書確認、運転手の業務や車両のパフォーマンスについての報告書作成を支援する。
フリートアップ(FleetUp)
▽調達総額:2700万ドル
▽ステージ:借り入れ
▽創業:2013年
▽国:米国
▽最近の提携相手:車載カメラメーカーの米ウェイレンズ

フリートアップは長距離運送業者を対象にした様々な車両や在庫の管理ツールを提供している。同社はテレマティクス製品の安全性を改善し、商用車の事故を減らすため、メキシコの自動車保険会社クアリタスと提携してメキシコで実証実験を実施している。燃費の改善や運送業者の生産性向上も目指している。フリートアップはレンタル事業者向けソフトウエアを手がける米アラートとも提携し、GPSによるモニタリング機能をアラートのプラットフォームに搭載している。フリートアップは13年に創業し、18年に事業拡大計画の一環として2000万ドルを調達した。
クラウドトラックス(CloudTrucks)
▽調達総額:2700万ドル
▽ステージ:シリーズA
▽創業:2019年
▽国:米国
▽最近の提携相手:ウーバー

クラウドトラックスはトラック運転手や物流会社の固有のニーズに対処するために設計されたスケジュール管理、支払い、運行ツールを手がける。運転手は走行マイル当たりの収益を最大化するよう独自スケジュールを組み、アプリを通じて配達証明を提出し、速やかに報酬を得られる。クラウドトラックスはトラック運転手が複数の仲介業者を通じて荷物の配送に入札するサービスも提供しており、運転手から手数料を徴収する。
ネクストムーブ(Nextmv)
▽調達総額:1400万ドル
▽ステージ:シリーズA
▽創業:2019年
▽国:米国

ネクストムーブは20年、米アクセラレーターのYコンビネーターが開催した「デモデイ」を受け、物流分野の急成長企業として業界メディアから広く注目された。ネクストムーブは「判断の自動化」に取り組むスタートアップとして、個別のルートや積み荷、スケジュールが全体の生産性にどんな影響を及ぼすかをシミュレーションし、スケジュールを最適化できるソフトウエアを提供する。同社は社員20人余りとまだ比較的小さいが、事業拡大に積極的で、22年には規模を2倍以上にする方針だ。
メイブン・マシンズ(Maven Machines)
▽調達総額:1000万ドル
▽ステージ:シリーズA
▽創業:2014年
▽国:米国
▽最近の提携相手:米運送大手CRSTインターナショナル

メイブン・マシンズは車両の運行管理とテレマティクスを手がける。主力製品は車両モニタリングシステムで、運行管理の担当者向けにリアルタイムでの車両の追跡、在庫管理、運転手の安全性の監視、自動での走行ルート選定やスケジュール作成を一元化したダッシュボードや、カスタマイズ可能な様々なワークフローや通信機能を提供している。メイブンは21年4月、メイブンのプラットフォーム「ワークフロー(Workflow)」を米マクラウド・ソフトウエアの顧客に提供するためにマクラウドと提携した。このプラットフォームは21年1月に提供を開始した。
パルポマティック(Pulpomatic)
▽調達総額:970万ドル
▽ステージ:シリーズA
▽創業:2017年
▽国:メキシコ

パルポマティックは大半の車両インフォマティクス機能を搭載したクラウドベースのデータ管理プラットフォームで、車両運行管理の担当者に車両の状態について多くの知見を提供する。同社が管理する配送ドライバーや配送車両は月3万件を超えるとしている。走行マイルの追跡や燃費性能のモニタリングシステム、リアルタイムの走行ルート選定ネットワークも搭載している。
プリテクト(Preteckt)
▽調達総額:420万ドル
▽ステージ:シリーズA
▽創業:2015年
▽国:米国

多くの企業が走行ルート予測システムの性能や精度の向上に取り組んでいるが、車両のメンテナンスに励んでいる企業は少ない。診断ツール開発のプリテクトは、この問題を解決しようとしている。

プリテクトのソフトウエアは高度なセンサーと機械学習のアルゴリズムを使い、配送車両の修理や整備のニーズをより正確に予測する。プリテクトの診断ツールは主にトラック向けに開発されたが、公共交通システムにも採用され、潜在市場が大幅に広がっている。
スマートレーン(Smartlane)
▽調達総額:200万ドル
▽ステージ:シリーズA
▽創業:2015年
▽国:ドイツ

スマートレーンは輸送インテリジェンスを手がけるドイツのスタートアップだ。同社のクラウドベースの技術は短距離運送業者向けで、AIと機械学習のアルゴリズムを使って貨物物流プロセスの大半を自動化する。コストを削減し、配送時間を短縮し、二酸化炭素(CO2)排出量を減少するために、250を超える要因に基づいて判断を下す。同社の技術はこの分野で非常に有望視されており、22年の年間売上高は数千万ドルに達する見通しだ。
フリート・コンプリート(Fleet Complete)
▽創業:1998年
▽国:カナダ
▽最近の提携相手:スウェーデンのIT企業ダイアレクト、米自動車部品コンメット、米ゼネラル・モーターズ(GM)

フリート・コンプリートも車両運行管理分野の老舗企業だ。同社は車両テレマティクスに特化しており、エッジコンピューティングを使ったリアルタイムの情報システムで運送業者に個々の車両や車両全体に関するリアルタイムのデータを提供する。同社のダッシュカム「ビジョン(Vision)」は動画フィードとAIによるデータ処理を組み合わせ、車両運行管理の担当者に車両の積み荷や運転手の安全、道路状況などのデータについて様々な基準を提供する。ビジョンはすでにドイツのアウトバーンで広範な実証実験を進めている。同社は25年までに(年間)売上高を10億ドルにする目標を掲げている。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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