ユーグレナ、マレーシアにバイオ燃料工場検討

ユーグレナは14日、マレーシア国営石油大手ペトロナス、イタリア石油・ガス大手エニと、マレーシアにバイオ燃料工場をつくる検討を始めたと発表した。廃食油などを原料に持続可能な航空燃料(SAF)やバイオディーゼル燃料をつくる。将来はユーグレナが培養しているミドリムシなどのバイオマス原料からもバイオ燃料を製造する。
ペトロナスが保有するマレーシア南端のジョホール州にある東南アジア最大級の製油所・石油化学コンプレックス内に建設する。製造量は最大で年産約73万キロリットルの見込み。2025年にも工場を完成させたい考え。
23年中に最終的な投資決定を行う予定。建設や運営を担うための特別目的会社をつくる見通し。事業規模は10億ドル(約1350億円)を見込む。ユーグレナはプロジェクトのシェア30%を確保したい考え。
ユーグレナは19年、横浜市でミドリムシなどを原料とするバイオ燃料の実証プラントを稼働させ、国内の小型航空機やバスなどに供給してきた。ただ実証プラントは年産125キロリットルと少量だった。今回の工場は実証プラントの約5800倍に相当する。
脱炭素の流れを受け、SAFの製造を検討する企業が相次いでいる。出光興産は27年3月期にも千葉事業所(千葉県市原市)でエタノール由来のSAFの製造を始める計画。三菱商事とENEOSホールディングスは27年にも、国内で年数十万キロリットルを供給する体制を築きたい考え。