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アステラス、治療薬開発で死亡例 米当局治験中断を要請

アステラス製薬は14日、筋力が低下する難病向けに開発中の遺伝子治療薬について、臨床試験(治験)で投与した患者1人が亡くなったと発表した。死因を確認中としているが、投与後に患者の肝機能値で異常が確認されていた。米食品医薬品局(FDA)は治験の中断を要請しており、協議を進めた上で今後の開発方針を決める。

開発中の治療薬候補は「AT132」。乳幼児などを中心に筋力が低下して死に至る難病「先天性ミオパチー」の一種を対象としている。今夏に低用量を投与された患者で肝機能の異常が見られ、自主的に治験を中断。その後、9月9日に死亡が確認された。

新薬候補を巡っては、すでに2020年に投与した患者で3人が亡くなっており、今回と同様にFDAから治験の一時的な中断要請を受けている。対象を絞り込むなどして治験を再開していたが、中断要請の解除後に初めて投与した今回の患者で死亡が確認された。「治療法がない難病であり安全に開発する方針に変更はない」(同社)

新薬は20年に3200億円で買収した米オーデンテス・セラピューティクスの主力候補薬。人工の遺伝子を投与して欠損した患者の遺伝子を補う次世代治療薬として期待されており、ピーク時には年間売上高が最大1000億円に達する大型薬になる見込みだ。

同社は31年3月期までに先端医療事業で年間5000億円の売上高目標を掲げている。AT132の遺伝子治療薬技術は他の疾病への展開を見込む基盤技術として期待されており、開発中止に至れば同事業の収益化が遅れる可能性がある。

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