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「会社人」ではなく「社会人」に

Smart Times  インディゴブルー会長 柴田励司氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

20代のうちは「会社の仕事を覚えろ」。30代になると「会社のために働け」。40代では「会社をけん引しろ」。50代からは「早く辞めろ」。

いまだにこの風潮でやっている会社はさすがに少なくなったと思うが、ちょっと前まではこれがサラリーマンの典型的な姿だった。そこで働く人は社会人ではない。会社人であった。

1985年上智大文卒。マーサ-ジャパン社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの最高執行責任者(COO)などを経て、2010年インディゴブルー社長、15年から会長。

会社人にとって定年は一大事となる。定年が近づくと仕事に対するモチベーションは減速する。人事制度上も一定年齢になると役職から解かれ、報酬も減る仕組みになっている。いよいよ会社との縁が切れると、一気に老け込み10年ほど過ごしたのち人生の終わりを迎える。

会社人モデルは人を消費する仕組みだ。SDGsの観点からも今風ではない。人生を誰かに消費されるのではなく、自分の人生は自分で楽しみたい。まずは自分があり、自分の人生のステージの一幕として会社がある。これこそ社会人の生き方だ。

自分は会社人かもしれないと思う人は意識的に社会人を目指した方がいいと思う。今の若い世代の人はその意識が強いだろうから心配ない。問題はアラフィフ以上の世代だ。まさに会社人として人生の大半を過ごしてきた人たちがいかに社会人になれるか、これは社会課題の一つだと思う。

日本は高齢者がますます多くなる。人生を楽しんでいる人が多い国と消耗した人が多い国とどちらがいいか。答えを聞くまでもない。私がアラフィフの学び直しの企画「PHAZEリカレント」を推進しているのもこのためだ。

香川県の小豆島でアートプロジェクトを手掛ける石井純さんという方がいる。石井さんはパナソニックの役員を退任された後に小豆島でアートギャラリーを開設している。その第1弾が祖父母の実家であった古民家を改装したギャラリー+カフェだ。

建築空間に独特の手法でアートを創造することで世界的に有名な仏写真家、ジョルジュ・ルース氏を招いた。彼の手による金箔が月のように浮かぶ作品が展示されている。オープニングパーティーには私も駆けつけた。

この空間は瀬戸内芸術祭2019にも出展し、多くの雑誌にも取り上げられた。9月1日にはその第2弾となる醤の郷現代美術館がプレ・オープンした。第3弾以降の企画も予定されているという。

石井さんにパナソニック時代のチャレンジと現在のチャレンジについてうかがう機会を得た。常に中心にいるのは「石井さん」であり、フィールドは変われども手掛けられていることは変わっていない。そのことを石井さんにお話ししたところ、「その通り」とのお返事だった。少なくともあと10年はこのアートプロジェクトを進めていかれるという。素晴らしい社会人人生だ。

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