TBSHD、有価証券売却益計上で純利益11%増 23年3月期

TBSホールディングスは13日、2023年3月期の連結純利益が前期比11%増の355億円になりそうだと発表した。従来予想を152億円上回る。保有する上場有価証券1銘柄と完全子会社保有の上場有価証券1銘柄を13〜14日に売却し、約200億円の売却益を計上する。年間配当も5円増配の42円と2円上方修正する。
TBSHDは売却する銘柄を非開示としている。TBSHDの2022年3月期の有価証券報告書で見ると、TBSHDが保有する上場株式では東京エレクトロンの時価総額が最も大きく、三井不動産やスカパーJSATホールディングス、凸版印刷も目立つ。
完全子会社のTBSテレビも多数の上場会社株式を保有している。リクルートホールディングスや東宝、東映、電通グループが時価総額ベースで上位となっている。投資有価証券売却で得た資金については、中長期の収益拡大を目指す成長領域への投資の原資として活用する方針。
売上高は前期比2%増の3660億円と従来予想から22億円引き下げた。景気減速を背景に企業の広告出稿が低迷し、地上波放送の収入が減った。ネット配信の広告収入は伸びるものの補えなかった。
営業利益は2%減の200億円と従来予想から20億円下方修正し、一転営業減益となる見通し。地上波放送の収入減が響く。