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新電力、プロ野球やヒーローを支援 顧客獲得へ独自色

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
協定を結ぶ埼玉西武ライオンズとところざわ未来電力の関係者ら

新電力の顧客獲得競争が激しくなっている。埼玉県所沢市などが出資する地域新電力「ところざわ未来電力」(同市)は、地元のプロ野球球団の埼玉西武ライオンズを支援する電力プランの販売を開始した。ファンクラブ会員など固定客を取り込む狙い。他の新電力も特撮ヒーローと連携したり、文化芸術関係者を支援したりとあの手この手の策を講じる。独自の販売商品をてこに、激しい顧客獲得競争に勝ち抜こうと躍起だ。

700社の経営環境は一層厳しく

電力小売りの全面自由化から4月で5年を迎えた。石油やガス、鉄道、地方自治体など異業種からの参入が相次ぎ、現在の登録事業者は700社を超える。価格競争の激しさに加え、2021年1月の電力卸市場の価格高騰で、新電力を取り巻く環境は一層厳しさを増している。

ところざわ未来電力は3月から「ライオンズでんき」の販売を始めた。電気料金の1%を2軍選手用のトレーニング機器購入費などに充てる。約10万人いるファンクラブ会員を取り込み、26年までに3000件の契約獲得を目指す。5月末までに契約すると、選手のオンラインサイン会の参加権などが抽選で当たる。

ライオンズでんきの料金は東京電力エナジーパートナー(EP)の標準プランより1%安い設定で、供給エリアは関東1都6県と山梨県、静岡県の一部。西武ライオンズの松井稼頭央2軍監督は「若手選手の育成を支援いただき、非常にありがたい。1軍で活躍できる選手を一人でも多く輩出したい」とのコメントを発表した。

ご当地ヒーロー、アーチストを支援

なはエネルギー(那覇市)は、ご当地特撮ヒーロー「琉神マブヤー」の活動を支援するプランを用意した。料金の一部をマブヤーの地域活動に充当する。同社の村上ゆかり社長は「これまでと違い、通常の電気料金のみの負担で活動を応援できる点が特徴だ」と話す。3月にはマブヤーが地元小学校を訪問し、「あいさつ運動」を呼び掛けた。子育て世帯などの顧客を取り込んでおり、契約件数は約100件に上る。

みんな電力(東京・世田谷)は4月、新型コロナウイルスの影響を受ける文化芸術関係者を支援するため「アーティスト電力」の販売を開始。作家・クリエーターのいとうせいこう氏が手掛ける太陽光発電所で発電した電力を一部供給する。料金の一部がいとう氏に還元される仕組みで、「別のアーティストを支援するプランも打ち出す」(同社)という。

電力自由化の波に乗り拡大した新電力だが、経営基盤が脆弱なところも多い。顧客獲得で売り上げを伸ばすとともに、価格の変動がある市場調達に頼らず自社電源の確保が基盤強化への課題だ。

(清水涼平)

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