日立、英高速鉄道の車両改修を初受注 安定収益狙う

日立製作所は13日、英国で高速鉄道の車両の改修を受注したと発表した。同社が2005年に英国で初めて受注した車両29編成174両が対象で、受注額は2700万ポンド(約43億円)。車両改修を英国で受注するのは初めて。車両を製造して納入した後も中長期に安定した収益を稼ぐ狙いだ。
英国の高速鉄道「クラス395」の車両を23年3月から順次改修する。乗員数などをリアルタイムに把握できるシステムを導入し、鉄道事業者が混雑時のダイヤを増やすといったサービス向上につなげてもらう。老朽化した椅子やじゅうたんなどを入れ替え、USBの充電器も設置する。
日立は05年に英国で初めて鉄道車両を受注し、09年6月に営業運転を開始した。契約納期よりも6カ月早く、納期延期が常態化していた英国では異例だったといい、日立の車両の品質が欧州で評価されるきっかけとなった。15年には英国での現地生産も始めた。
日立の22年3月期の鉄道事業の売上高は6283億円。15年に鉄道車両を手掛けるイタリアのアンサルドブレダ、信号などを手掛けるアンサルドSTSを買収し、欧州中心に事業を拡大してきた。23年3月期中に仏電子機器大手タレスの鉄道信号事業を買収する予定だ。