第一三共、コロナワクチン承認申請 mRNAで国内勢初

第一三共は13日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省に製造販売の承認申請をしたと発表した。3回目以降に追加接種をする成人を対象とする。日本の製薬会社が開発したワクチンでは、塩野義製薬に続く2社目の申請となる。
ワクチンは米ファイザーや米モデルナ製と同じメッセンジャーRNA(mRNA)を使っている。承認されれば、国内メーカーで初のmRNAのコロナワクチンになる。
臨床試験(治験)は既存のmRNAワクチンを2回接種した成人や高齢者約5000人を対象にした。3回目に既存ワクチンを打った場合と比べ、第一三共製を打った場合も有効性や安全性が劣らなかったという。
第一三共は「早期に承認を取得するため、得られたデータをもとに2022年9月から当局と事前評価相談を始めている」としている。

同社は子会社の第一三共バイオテック(埼玉県北本市)の工場でmRNAワクチンの量産体制を整えている。23年度内に、適応を初回接種に広げる追加の承認申請をする予定。
今回のワクチンは初期に発生した従来型ウイルスをもとに開発している。国内では22年秋から、従来型と変異型「オミクロン型」に対応する成分を混ぜた「2価ワクチン」の接種が進んでいる。第一三共も23年4~9月に、オミクロン型対応ワクチンの治験を始め、早ければ同年度内に承認申請をする見通し。
国内企業では、塩野義が22年11月に遺伝子組み換え技術を使った「組み換えタンパク」と呼ぶ種類のコロナワクチンを承認申請した。明治ホールディングスグループのKMバイオロジクス(熊本市)も6月までに、ウイルスの毒性をなくした成分でつくる「不活化ワクチン」を申請する計画。

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