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出前館、800億円調達でウーバーに対抗 公募増資など

時価総額の半分に相当する規模の調達で、CMや配達員の増員などに充てる(写真は出前館の配送サービスの様子)

料理宅配大手の出前館は13日、Zホールディングス(HD)などへの第三者割当増資と海外向けの公募増資で約800億円を調達すると発表した。新型コロナウイルス禍で料理宅配市場が拡大するなか、シェア拡大に向けた配達員や加盟店の獲得を急ぐ。同業の「ウーバーイーツ」との競争が激化するが、時価総額の約半分に相当する資金調達で攻めの投資に出る。

第三者割当増資ではZHDに最大2274万株、韓国ネイバーに最大1664万株を割り当てる。資金調達額を約800億円とするため、ZHDは現状の実質的な保有割合(38%)を上回る場合でも第三者割当増資を引き受ける契約を結んだ。最大2274万株すべてを割り当てた場合、保有割合は約42%となる見通し。

公募増資は欧州やアジアを中心とする海外で実施する。最大1605万株を新たに発行する。合わせて自己株式324万株を処分する。

公募増資と第三者割当増資などで増加する株式数は最大5543万株で、現在の発行済み株式総数の約65%にあたる。

800億円の調達額のうち、650億円をマーケティングにかかる運転資金に使う。テレビCMなど広告宣伝費やクーポンに投資し、配達員や利用者、加盟店を増やす。100億円はサイトやアプリのシステムの改善などに充て、50億円は配達員の増強に向けた採用費用に充てる。

国内でも外出自粛の動きから料理宅配市場は急拡大している。調査会社エヌピーディー・ジャパン(東京・港)によると、年率5%前後で成長してきた市場は、2020年に前年から50%増加。出前館の5月末時点の加盟店舗数は7万店強と前年同期から3倍に増えた。1年以内に1回以上購入した利用者も652万人と2倍近くに増えている。

ただ競争も激しい。データ分析のヴァリューズ(東京・港)によると、8月のアプリ利用者数は「ウーバーイーツ」(570万人)が首位で、出前館(442万人)や「menu」(125万人)が追う。6月にはKDDIとmenuが資本業務提携するなど、利用者の囲い込みは激化している。

足元で各社は料理宅配だけでなく、食料品や日用品などの配達も強化するなど、事業拡大には加盟店や利用者数の拡充も欠かせない。

出前館も7月末からZHD傘下のアスクルと共同で、最短15分で日用品や食料品を配達するサービスの実証実験を始めた。ZHDは「Eコマースの取り扱い高の最大化などを目指すにあたり、出前館のデリバリーインフラは重要な経営資源」とコメントした。Eコマース分野で出前館と相乗効果(シナジー)の追求を目指す。

出前館の中期経営計画では23年8月期に連結営業利益120億円を目指している。ただ、20年9月~21年5月期の連結営業損益は、129億円の赤字(前年同期は16億円の赤字)と、新型コロナ禍の競争激化で投資がかさみ業績は苦戦している。

auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジストは「希薄化率が大きく短期的には株価は下落するが、市場はZHDとのシナジー効果に注目している」と見る。

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