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Jフロントが19年ぶり最終赤字 21年2月期、261億円

2020年11月にオープンした心斎橋パルコ

大丸・松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングが13日発表した2021年2月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が261億円の赤字(前の期は212億円の黒字)だった。最終赤字は旧大丸時代に退職給付債務の積み立て不足償却などで特別損失を計上した02年2月期以来19年ぶり。新型コロナウイルス禍を受け、主力の百貨店事業で高齢者や訪日外国人(インバウンド)客の減少が響いた。

高島屋も12日に発表した21年2月期連結決算で17年ぶりの最終赤字を計上した。百貨店大手2社がそろって久々の最終赤字に転落し、コロナ禍での苦境が鮮明になっている。

Jフロントの売上高にあたる売上収益は前の期比34%減の3190億円、営業損益は242億円の赤字(前の期は402億円の黒字)だった。緊急事態宣言を受け20年4~5月にかけてほぼ全店で休業。再開後は電子商取引(EC)やオンライン接客の強化に取り組んだが補えなかった。

事業別では百貨店の営業損益が221億円の赤字(前の期は176億円の黒字)に転落した。パルコ事業は68億円の赤字(前の期は108億円の黒字)だった。24年2月末までにパルコの津田沼店(千葉県船橋市)と新所沢店(埼玉県所沢市)を閉店することを決め、店舗に関する減損損失などを計上した。不動産事業でも家賃を減免したことなどで、営業損益は71%減の19億円だった。

22年2月期の連結最終損益は40億円の黒字を見込む。実店舗でデジタルを活用した接客を強化するほか、堅調な高額品の個別販売にも力を入れる。「損益分岐点が高かった」(好本達也社長)として百貨店事業などで固定費の削減を進める。20年11月に開業した心斎橋パルコ(大阪市)では隣接する大丸心斎橋店との一体運営を始めており、顧客層の拡大や親子連れの獲得などによる売り上げ面の相乗効果を狙う。

Jフロントは同日、24年2月期までの中期経営計画を発表した。最終年度の営業利益は403億円、自己資本利益率(ROE)は7%を目指す。好本社長は「この3年間で(コロナ前の)20年2月期の水準に完全復活させる」と強調した。 

ただ百貨店各社は歴史的な苦境にある。高島屋の21年2月期連結決算も17年ぶりの最終赤字に転落した。かねて不振の衣料品がなお売り場構成の中心になっていたり、東京五輪を見込んでインバウンドに傾斜した販売施策があだとなった形だ。

日本百貨店協会によると20年の全国百貨店売り上げは前年比26%減少した。コンビニエンスストアなどもコロナの打撃を受けているが百貨店はその比ではない。好本社長が「決断の遅れは企業の致命傷になりかねない」と述べた通り、変革のスピード感と本気度がかつてなく問われている。

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