富士通や川崎重工など満額回答 春季交渉の集中回答日
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2023年の春季労使交渉は15日、集中回答日を迎えた。富士通や川崎重工業などの大手製造業が労働組合の要求に満額で回答した。今年はトヨタ自動車など交渉の早い段階で労組側の要求に満額で回答する事例が相次いだ。新型コロナウイルス禍の収束に加え異例の物価高を受けて、従業員の生活保障や人材確保のため大幅な賃上げに踏み切る企業が目立つ。
川崎重工は労働組合が要求していた、基本給を一律で底上げするベースアップ...
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。