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日産、メキシコに「eパワー」投入 米州で初

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
メキシコで生産し、北米・中南米で販売するセダン「セントラ」

日産自動車は独自のハイブリッド車(HV)技術「eパワー」を搭載した車種を2022年下期にメキシコで発売する。北米・中南米地域で投入するのは初めてとなる。日産は電気自動車(EV)とeパワーを電動化戦略の2つの柱としており、米州市場でも電動化を加速する。

搭載する車種名などの詳細は今後発表する。eパワーはモーターを使って走行し、エンジンは発電のみに使う技術だ。EVのような素早い加速と静粛性を備える一方、ガソリンを給油するため航続距離などの不安がない点が利点だ。eパワー向けの部品をメキシコで生産するかは明らかにしていない。

アジア、欧州などでもeパワー投入

日産は16年発売の「ノート」を皮切りに、主に国内向けの車にeパワーを搭載してきた。足元ではタイや中国、欧州でeパワーを投入して海外展開を強化しており、メキシコでの発売もこの一環となる。充電インフラなどが少ない地域ではEVよりもまずはeパワーの投入が有効と判断したもようだ。

日産のメキシコ事業は1961年の開始から60周年を迎えた。同国は日産にとって主要拠点で、66年にモレロス州クエルナバカに工場を設立した。中部アグアスカリエンテスにはエンジンと完成車を造る2工場を持つ。これまで1400万台以上の自動車と1500万基以上のエンジンを生産した。現在は小型車の「ヴァーサ」や「セントラ」、「キックス」などを生産している。

メキシコは日産が半世紀にわたり工場を操業する主要拠点だ(エンジン1500万基生産を記念した式典)

近年ではメキシコ生産への逆風が強まった時期もある。米国のトランプ前政権は米国生産回帰を求め、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」を締結した。原産地規則を見直すなど、メキシコからの輸入で自動車の関税がゼロになる条件を厳しくした。

日産も構造改革のなか、「メキシコの厳しい市場環境への対応」として18年12月にメキシコで社員1000人を解雇した。18年に稼働を始めた独ダイムラーとの合弁工場「コンパス」も稼働率が低い状況が続き、日産がダイムラー株を手放したことで今後の改善には不透明感もある。

メキシコ、市場としても存在感

ただ、足元では再びメキシコが好調な米国市場を下支えしている。日産のメキシコでの生産台数は20年に52万1580台、21年1~7月に33万1895台といずれも米国の生産台数を上回った。バイデン政権下で米メキシコ間の経済対話が再開し、メキシコへの企業投資も回復してきた。

メキシコは日産にとって年20万台規模の販売が見込め、生産拠点だけでなく市場としても一定の存在感を持つ。今回のeパワー投入は、新興国での電動化の進展具合を見極める試金石となりそうだ。(山田遼太郎)

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