富士フイルムBIがDX支援 独自AIとデータ基盤を活用
富士フイルムホールディングス子会社の富士フイルムビジネスイノベーション(BI、旧富士ゼロックス)は12日、マーケティング分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援事業に本格参入すると発表した。独自開発の人工知能(AI)とデータ統合基盤を活用したデータ収集・分析サービスの提供を始めた。提供価格を抑え、大手だけでなく、中小企業も利用しやすくした。
同日、「Marketing Cockpit(マーケティング コックピット)」の名称で提供を始めた。同サービスはSNS(交流サイト)やウェブサイト、顧客情報管理(CRM)、電子商取引(EC)、POS(販売時点情報管理)などのデータを統合管理する。これらのデータをAIで解析し、ウェブサイトの改善やデジタル広告の配信などに生かす取り組みを支援する。

例えば、「ウェブサイトを何度も訪れているが、購入してくれない顧客」や「特定商品をカートに入れたが、購入せずに買い物を中断した顧客」などをAIで特定・セグメント分けし、それぞれの顧客層に対して、適切なチャネルや内容、タイミングで販売促進施策を展開する。
先行してテスト導入した美容サービスを手掛ける事業者では、ダイレクトメール(DM)の効果測定に活用し、DMのヒット率を1~2%から8%まで高めたという。
富士フイルムBIはMarketing Cockpitをサービスとして提供し、データの収集・統合作業は主に同社のシステムエンジニアが担うことで、顧客企業はデータ活用やマーケティング施策の立案などに集中できる。SNSやウェブサイトのデータを収集・分析するケースで、初期費用は100万円程度、月額利用料は30万円程度を見込む。同社は2023年度までに100社の導入を目指している。
(日経クロステック/日経コンピュータ 山端宏実)
[日経クロステック 2022年1月12日掲載]
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