スピアが2億円調達、法人向け日程管理サービス

日程調整などが手軽に行える電子カレンダーを手掛けるSpir(スピア、東京・渋谷)は、ベンチャーキャピタル(VC)のワン・キャピタル(東京・港)などから2億円を調達した。電子カレンダーの法人向けサービスやスマートフォンアプリを開発する。日程調整から幅広い業務改善につなげられるシステムにすることを目指す。
スピアの電子カレンダーは、営業担当者などが取引先との日程調整を手軽に行えることが特徴。業務用のカレンダーシステムと連携させ、自分の空き時間の候補をリンクとして相手先に送る。相手が都合のよい時間をそこから選択すればそのまま業務カレンダーに書き込まれて日程調整を終えられる仕組み。2020年11月に試験的にサービス提供を始め、これまでに5000人が利用したという。

これまでは個人向けに無償でサービス提供していたが、7月をメドに法人向けの有料プランの提供を始める。法人で利用する場合は社内で日程を共有しながら予定を調整しやすくなる。電話営業の担当者が訪問担当の営業員の日程を調整したり、外部企業との共同プロジェクトの際に予定を合わせたりする使い方を想定する。
これまでの日程調整はメールを何往復もやりとりしながら候補日を調整するのが一般的だった。スピアのサービスを使えばやりとりは一回で済むため「大幅な時間短縮につながる」(大山晋輔代表)という。
空き時間を相手先に送って日程調整をするサービスはこれまでもあったが、スピアでは空き時間の中から柔軟に候補の時間を提示できるようにした。移動時間のため余裕を持った時間帯を選んだり、ビデオ会議向けに連続して予定を入れたりといった調整が柔軟にできる。これまでに1万5000件の日程調整に使われたといい、累計の利用件数を1年後に10倍程度まで増やしたい考えだ。