東宝の22年3~11月、純利益271億円 トップガン好調

東宝が12日発表した2022年3~11月期の連結純利益は271億円だった。今期から適用した「収益認識に関する会計基準」の影響を考慮せずに旧基準の前年同期の利益を単純比較すると35%増となる。洋画「トップガン マーヴェリック」などが好調に推移した。
売上高にあたる営業収入は1797億円。前年同期と単純比較で7%増だった。営業利益は358億円となり、同27%増だった。
けん引役は映画事業だ。「トップガン」が大ヒットの目安となる国内興行収入100億円を超えたほか、「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」も好調だった。22年11月に公開した新海誠監督の新作「すずめの戸締まり」も貢献した。
映画館の客足が伸び、「映画興行」の営業利益は前年同期と単純比較で12倍になった。新型コロナウイルス禍の影響が和らいだほか、東映配給のアニメ映画「ONE PIECE FILM RED」の大ヒットも客足の拡大につながった。
演劇事業の営業利益は9%減だった。「千と千尋の神隠し」が好調に推移したが、役者のコロナ感染で一部公演が中止となったことが響いた。スタッフの抗原検査などコロナ対策費用も重荷となった。
同日の記者会見で取締役副社長執行役員の太古伸幸氏は第4四半期の見通しについて、「映画館の客足はコロナ前の8~9割の水準まで戻った。『鬼滅の刃』の新作などが2月に公開を控えており、期待している」と話した。
23年2月期の連結業績予想は据え置いた。売上高は2400億円、純利益は320億円を見込む。