大鵬薬品、抗がん剤開発で米バイオ製薬子会社を買収
大塚ホールディングス(HD)傘下の大鵬薬品工業(東京・千代田)は12日、米バイオ製薬カリナンオンコロジーと抗がん剤の開発のために設立した共同出資会社カリナンパールの全株式を取得すると発表した。従来は大鵬薬品の子会社などが20%を保有していたが、残りを買い取り完全子会社化する。大鵬薬品はカリナンオンコロジーに契約一時金2億7500万ドル(約350億円)を支払うほか、抗がん剤の開発の進捗に応じた報酬を最大で1億3000万ドル(約167億円)支払う。契約一時金は2022年4~6月期に計上する。
大鵬薬品は19年、自社で創製した抗がん剤「TAS6417(開発コード)」の開発を進めるため、カリナンオンコロジーが90%、大鵬薬品子会社が10%を出資してカリナンパールを設立した。日本以外の地域で同薬剤を開発・販売する権利を移し、現在は肺がん治療の飲み薬として初期段階の臨床試験(治験)を進めている。このほど大鵬薬品が権利を買い戻すことになった。
米国では、TAS6417をカリナンオンコロジーと共同で開発・販売する契約も結んだ。米国における同剤の治験費用や発売後の利益は両社で折半する。
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