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新テクノスポーツの誕生

SmartTimes インターウォーズ社長 吉井信隆氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

「HADO(ハドー)」というテクノスポーツをご存じだろうか。国内スタートアップのmeleapが2016年に開発したAR(拡張現実)スポーツだ。ヘッドマウントディスプレーとアームセンサーを装着し、エナジーボールやシールドを発動させ、仲間と連携しながら対戦する競技で、ビデオゲームやアニメのような世界でプレイできる。

現在、世界36カ国に80カ所の常設フランチャイズ施設があり、日本でも専門施設のオープンが相次ぎ、プレーヤーは累計250万人へと成長している。20年からはアイドルをプレーヤーとして取り込み、視聴者参加型のシステムを使った観戦事業を開始、世界の若者たちの間で人気が高まっている。

国内外で定期的に公式大会が開催され、年末のCLIMAXシーズンの最後には、世界各国から予選を勝ち抜いたチームが世界一の座を争う「HADO WORLD CUP」が開催される。

meleap創業者の福田さんとはスタートして間もない頃、異業種交流会東京501会の講演会で出会った。「ドラゴンボールの孫悟空のように、かめはめ波を撃ちたい」という夢が原点で、「テクノスポーツで世界に夢と希望を与える」とのビジョンに共感し出資させていただいた。

福田さんは東京大学大学院卒業後、リクルートに就職。「自分が心の底から人生をささげたいのは何か、人生で何を実現したいのか」を求め、「かめはめ波を撃つARスポーツの世界を創る」ことに賭けた、アートな起業家だ。「そんな夢みたいなこと実現できるわけがない」と多くの人に言われたが、ネットである映像を見て「かめはめ波を撃つ未来」は実現できると確信。世界中の人たちが共感するARスポーツは必ず実現できると信じ、25歳でリクルートを退職してmeleapを創業した。

実績も人もお金もなく、HADOの開発は困難を極めたが、16年に『Oculus Rift』や『PlayStation VR』などがリリースされ、VR・AR・MRが注目されたことがHADOの後押しになり、人や資金を集めることができた。

スマホを利用した独自の画像トラッキング技術の開発に成功し、HADOのリリースにこぎ着けた。福田さんは幼少期に描いた夢をテクノロジーによって実現させた。HADOはスポーツ界を再定義し、これまで誰も考えなかった世界を創った。

イノベーションの試みは、いつの時代も、たった1人の「熱狂」から始まる。サッカーを超えるスポーツ市場の創造を目指すHADOの頂点は、まだ一合目にも達していないという。グローバルARスポーツ・HADOが、新たなオリンピック競技種目になる日が来るかもしれない。

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