大陽日酸、熊本で面積2倍の物流拠点 需要増見込む

日本酸素ホールディングス傘下の大陽日酸は、半導体業界で工場建設が相次ぐ熊本県に物流拠点併設の事業所を新設した。半導体生産などに使われる特殊ガスを扱う。既存の物流拠点に比べて特殊ガス容器の保管施設の面積が2倍になる。熊本県は半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)の新工場のほか、ソニーグループも半導体の新工場を検討するなどガス需要増加が見込まれる。新工場の近くで供給量を増やしてシェア確保を狙う。
もともと熊本市内にあった支店をTSMCの新工場建設が進む熊本県菊陽町の新事業所に移転し、事業所敷地内にガス保管施設を併設した。これまでは北九州市にある物流拠点から九州全体にガスを供給していたが、熊本の事業所新設に伴って北九州市の設備は運用を止める。事業所と物流拠点は10日から営業を始めている。まだ敷地面積に余裕はあるが、保管施設の増設などは今後検討する。
特殊ガスは半導体や液晶パネルの製造工程で使用される電子材料ガス、不純物を一定濃度以下にした高純度ガスなどを指す。半導体製造工程ではウエハーの酸化工程や、ウエハーに回路を刻む工程などで多様なガスを使用する。