工作機械受注、11月は7.8%減 2カ月連続マイナス
日本工作機械工業会(日工会)が12日発表した11月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比7.8%減の1341億円だった。2年ぶりに前年実績を下回った10月に続き、2カ月連続のマイナスとなった。欧米の金融引き締めや中国の景気減速懸念を受けて、スマートフォンや半導体関連を中心に設備投資への慎重姿勢が強まっている。
外需は7.3%減の883億円だった。中国などでのスマホやパソコン関連の需要低迷が逆風だ。芝浦機械はスマホのカメラレンズ向けで超精密加工機の需要が減った。中国では直近にゼロコロナ政策を見直す動きもある。小型旋盤で中国向けが強いツガミの幹部は「物流は正常化しつつあるものの、現地の需要はまだ本格回復に至っていない」と語る。
欧米もインフレなどにより景況感が悪化しており、新型コロナウイルス禍の影響に対する設備需要の回復も一巡している。米サプライマネジメント協会(ISM)によると11月の米製造業景況感指数は2年半ぶりに好不況の節目である50を下回った。
内需も受注が振るわず、8.5%減の457億円となった。メモリー関連などの半導体需給の緩みが意識され、けん引役となってきた半導体業界の投資が一服している。11月上旬には国内で大型展示会が開催されたが、11月の押し上げ効果は限られた。日工会の担当者は「海外景気の不透明感が強まるなか、顧客企業は以前ほど設備導入を急がなくなっている」との見方を示す。