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揺れる東芝・経産省、「株主総会調査報告書」まとめ読み

東芝の臨時株主総会で選任された弁護士がまとめた報告書で、「東芝と経産省はいわば一体となり、株主提案権の行使を妨げようと画策」と記された。

東芝が2020年7月に開いた定時株主総会の運営を巡る調査報告書が波紋を広げています。東芝の臨時株主総会で選任された弁護士がまとめた報告書は、東芝と経済産業省が一体となって株主提案権の行使を妨げようと画策し、一部の海外株主に不当な圧力をかけていたと結論づけました。

東芝は過去に不正会計や米原子力発電機器子会社の巨額損失、子会社の架空・循環取引などの不祥事が続き、コーポレートガバナンス(企業統治)の不備を問われていました。かたや、経産省は日本の企業統治改革の旗振り役です。調査を担当した弁護士は両者の関係について「やや不当な関係性」と指摘しました。

東芝調査報告書の要旨

報告書が事実とすれば、政府が民間企業の総会運営に不当に肩入れしたことになり、東芝だけにとどまらず、日本の企業統治の信頼が損なわれます。報告書に揺れる東芝・経産省に関連するこれまでの主な記事をまとめました。

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2020年7月31日に開かれた東芝の定時株主総会に向かう男性(東京都新宿区)

東芝は10日、2020年7月の株主総会の運営について調査した弁護士から報告書を受け取ったと発表した。報告書はアクティビスト(物言う株主)に対し、東芝が経済産業省と緊密に連携して対応したと指摘した。一部株主は圧力を受けて議決権行使をしなかったとして、総会が「公正に運営されたものではない」と結論づけた。

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記者会見する調査者の中村隆夫氏

東芝は10日、2020年7月に開かれた定時株主総会が公正に行われていたかを調査していた弁護士による調査報告書を公表した。同日に前田陽司弁護士など調査者が開いた記者会見での主な一問一答は次の通り。

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経産省は5月の国会で「経産省元参与に投資家への働きかけを依頼したことはない」と説明していた

東芝の株主が選任した弁護士が10日発表した調査報告書は、経済産業省が株主に対して議決権行使をやめるよう関与していたと指摘した。民間企業1社の株主総会への国の関与が事実ならゆがんだ構図だ。5月の国会での「経産省元参与に投資家への働きかけを依頼したことはない」という役所側の説明との整合性も問われる。

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20年7月の定時株主総会を巡る不適切な対応を指摘され、東芝は再び説明責任を求められている

東芝が公表した2020年7月の株主総会運営に関する調査報告書は、政官民が濃密に結びつく日本型企業統治(コーポレートガバナンス)の異形を浮き彫りにした。影響は東芝1社にとどまらないだろう。投資家の不信の芽を摘むためには、すべての日本企業が市場と真摯に向き合う必要がある。

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東芝の社外取締役4人は6月12日までに声明を出し、会社側の取締役候補に異議を唱えた(写真は4月にオンライン記者会見に臨む東芝の綱川智社長兼CEO㊨と永山治取締役会議長)

東芝が25日に開く定時株主総会を巡り、社外取締役のジェリー・ブラック氏ら4人が、会社側が提案する取締役候補者案に異議を唱える声明を出した。東芝の2020年定時株主総会について調査していた弁護士による報告書の内容を問題視し、全13人の「全員は支持しない」としている。

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