三菱電機、インドで家庭用エアコン生産 工場に267億円

三菱電機は12日、インドで家庭用エアコンを生産すると発表した。267億円を投じ、同国南部のタミル・ナドゥ州に工場を建設する。現在はタイで生産した製品をインドで販売している。人口増加や経済成長に伴う市場拡大を見込み、現地で生産から販売までする体制を整える。
工場は2025年10月に稼働し、年間30万台を生産する。21万平方メートルの敷地に建設し、延べ床面積は8万8000平方メートル。25年12月からは冷媒を圧縮して温度の調節に使う圧縮機も製造し、年間 65 万台の生産を予定する。
三菱電機は空調冷熱システム事業の売上高を25年度に20年度比56%増の1兆2600億円としたい考えで、空調事業に力を入れている。
インド政府の製造業振興政策「メーク・イン・インディア(インドでものづくり)」も投資判断を後押しした。日本冷凍空調工業会によると21年のインドでの家庭用エアコン需要推定は前年比38%増の607万5000台だった。
インドはエアコンの普及率が比較的低く、空調大手各社は需要拡大の余地があるとみてインドでの生産能力強化を目指す。ダイキン工業は25年度までに東南アジアやインドで1000億円の投資を行う方針で、新工場の建設も進めている。