/

東レ、米認証不正で調査報告 80年代後半から不正行為

(更新)

東レは12日、樹脂製品の一部が米国の第三者認証を不正に取得していた問題について、弁護士による有識者調査委員会の報告書を公表した。報告書は不正について「遅くとも1980年代後半には発生し、その後も長期間にわたり組織的に行われていた」と指摘した。東レは今後、ガバナンス委員会で日覚昭広社長ら経営幹部の処分内容を審議する。

不正があったのは、家電や車部品などに使う樹脂製品の一部。燃えにくさを示す「難燃性」の認証を米国の第三者機関「アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)」から受ける際に指定された品質等級と異なるサンプルをつくって提出するなどの不正行為があった。

報告書では不正行為の背景に「競合他社も同様の不適正行為を行っているという認識や、コスト削減や物性維持により受注を獲得・維持する必要があるということを理由にUL問題の開始、継続を誤って正当化していたものと考えられる」とした。

不正行為が長期間にわたったことは「樹脂技術関連部署内においてのみ人事異動が行われ、樹脂技術関連部署に閉鎖的な組織風土が形成されていた」ことが「問題が是正されることなく今日まで継続した原因の1つだ」としている。

不正行為があった樹脂の1つであるABS樹脂では「1986年以降にUL申請業務に従事していた者や開発を担当していた者が、UL申請処方と生産処方の乖離(かいり)が存在していたことを認めた」として、30年以上前から現場が不正を認識していたと指摘した。

17年8月頃に当時の経営層の一部にUL認証において不正行為があるとの報告がなされたが、見過ごされてきた。報告書では、16年に実施したアンケートなどで不正を確認できる機会があったにもかかわらず「申告内容が適切に反映されていなかった」と指摘。一連の行為について「隠蔽と思えると言われれば、それは否定できるものではない」(東レ)とする。

東レ製品の462品種がUL認証を受けていた。そのうち122品種で不正行為があり、ULは3月末時点で家電などに使われる「ABS樹脂」など52品種の認証を取り消した。

報告を受けて、東レは品質保証部門の組織体制強化や内部通報制度の利用を促す体制構築を盛り込んだ再発防止策を策定した。東レは日覚社長などの経営幹部と、不正行為に関与した社員を処分する予定。ガバナンス委員会で対象者の範囲と処分内容を審議する。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン