ルノー会長「企業の長期的成長には格差是正必要」

仏ルノー会長のジャンドミニク・スナール氏と、日産自動車最高執行責任者(COO)のアシュワニ・グプタ氏は2050年に向けた持続可能性について9日講演した。
スナール氏は企業の社会的責任について自身の考えを述べた。「従来の株主だけを重視する資本主義では、企業の長期的成長は実現できない」とし、企業が株主だけでなく社会に価値を還元し、格差の是正に貢献する必要性を説明した。日本の政府についても言及し、「新しい資本主義や格差の是正を掲げる日本政府を注視している」と述べた。
ルノーと日産、三菱自動車の3社連合としては、持続可能な社会の実現に向けて「電気自動車(EV)をさらに強化していく」(スナール氏)との考えを改めて示した。
グプタ氏は持続可能な社会の実現に向けた日産の事業を紹介し、一例として車両のライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)の排出量をゼロにする取り組みを挙げた。「産業革命以前との比較で50年までの気温上昇を1.5度未満に抑えるために、カーボンニュートラルの実現が重要」と述べた。
両氏は在日フランス商工会議所が主催する「第4回日仏ビジネスサミット」で講演した。同イベントには両氏のほか、建築家で東京大学特別教授・名誉教授の隈研吾氏らが登壇した。
(日経クロステック/日経Automotive 本多倖基)
[日経クロステック 2021年11月11日掲載]
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