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アビガン治験、投与終了 重症化率低下で検証困難に

富士フイルムホールディングスは11日、新型コロナウイルス治療薬への転用を目指す抗ウイルス薬「アビガン」の国内臨床試験(治験)で、新規投与を終了すると発表した。3月末で被験者の組み入れを終える。従来の変異型と比べて重症化率が低い「オミクロン型」の拡大で、アビガンの投与による有効性の検証が難しくなった。3月までのデータを今後解析し、開発の方針を検討する。

アビガンは富士フイルム傘下の富士フイルム富山化学(東京・中央)が新型インフルエンザ向けに開発した抗ウイルス薬。細胞に入ったウイルスの増殖を抑える効果がある。

富士フイルムはアビガンを新型コロナ治療に転用するため2020年3月に国内で治験を始めた。同年10月に厚生労働省に承認を申請。12月に有効性の判断が難しいとして承認が見送られ、継続審議となったことで21年4月から条件を変えて治験をやり直していた。

治験は重症化リスクを抱えるワクチン未接種の成人患者で、症状が出てから72時間以内が対象だ。ただ肺炎など重症化率が低いオミクロン型が拡大していることで、アビガンが重症化を防いだかという検証が難しくなっている。また、治験の条件となるワクチン未接種者も減っている。目標とする参加者数316人に届くメドが立たなくなった。

今後富士フイルムは「治験データの解析を進めていく」とする。有効性を検証し、追加治験を実施するかなどを検討する方針だ。

富士フイルムは米食品医薬品局(FDA)への緊急使用許可の申請を目指し、米国などでもカナダ製薬会社アピリ・セラピューティクスを通じた治験を並行して実施。軽症から中等症のコロナ患者に対して、偽薬に比べて症状回復までの時間に違いがあるかを調べていた。ただアピリは21年11月、統計的な有意性を確認できなかったと発表。現在試験データの追加分析を行っている。

新型コロナ向けの治療薬をめぐっては、開発競争が激しくなっている。国内では飲み薬で米メルクの「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」、米ファイザー製の「パキロビッドパック」が製造販売承認を取得済み。塩野義製薬は2月末、厚生労働省に飲み薬の製造販売承認を申請している。

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