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ENEOS、新興再エネ買収を発表 2000億円で

(更新)

ENEOSホールディングスは11日、再生可能エネルギー新興企業のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、東京・港)を買収すると発表した。買収額は2000億円。JREの親会社である米ゴールドマン・サックスとシンガポール政府投資公社(GIC)から全株式を取得する。脱炭素を見据え、再生エネ事業を新たな収益の柱に育てる。

石油元売り大手による再生エネ新興の大型買収は初めて。ENEOSは国内外に60の再生エネ発電所を持つJREを傘下に収め、再生エネ事業を本格的に拡大する足がかりにする。11日にゴールドマンなどと株式譲渡で基本合意した。22年1月下旬ごろに株式譲渡を実行する予定だ。22年3月期の業績への影響は軽微という。

11日にオンラインで記者会見したENEOSの井上啓太郎常務執行役員は「事業構造を抜本的に変える契機になる」と語った。ENEOSは再生エネ発電所の規模を、今の出力計10万キロワット程度から、22年度末までに100万キロワット超にする目標を掲げていた。JREを傘下に置けば、運転中・建設中含めて国内外で約122万キロワットにまで一気に増える。

JREは2012年創業の新興エネルギー企業だ。9月時点で約40万キロワット分の再生エネ発電所を稼働している。11日の発表によると、20年12月期の連結売上高は224億円で最終損益は9億1200万円の赤字だ。

2000億円という巨額買収額について、井上氏は「JREの持つ既存資産と将来価値で算定した」と説明した。「(再生エネ事業を育てるまでの)時間を買った意味もある」とも語った。「設立10年ほどで実績を積み上げ、ノウハウも人材もある」と成長性への期待も示した。

井上氏が指摘する「将来価値」の主軸は洋上風力だ。JREは長崎県や秋田県、北海道などで洋上風力の開発に乗り出している。国内での商業利用は遅れており、政府は「再生エネ電源の主力電源の切り札」と期待する。洋上風力は建設や運営などに数千億円かかる一方、数十年にわたってコストを上回る収益を得られる可能性がある。

ENEOSはJREの買収を機に「日本を代表する再生エネ事業者をめざす」と強調した。23年3月期までの中期経営計画では8600億円の戦略投資枠のうち、脱炭素関連に4000億円を投じる方針を掲げた。すでに米国やオーストラリアでの太陽光、台湾の洋上風力など海外事業への参画を決めた。JREの技術を取り込んで「将来的に(本格的な)海外展開も視野に入れて計画する」(井上氏)。

再生エネ電源と蓄電池や電動車両を組み合わせ、エネルギーを無駄なく使うシステムの開発にも取り組む。ENEOSが脱炭素の中核に据える水素事業との親和性も狙う。精製過程で二酸化炭素(CO2)を出さない「グリーン水素」をつくるため、JREの再生エネ電源をフルに生かす。

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