トヨタ「ヤリス」が初の首位 21年車名別新車販売
普通車が5年ぶりトップ

自動車販売会社の業界団体が11日まとめた2021年の国内の車名別新車販売台数(軽自動車を含む)で、トヨタ自動車の「ヤリス」が通年で初の首位となった。軽自動車(排気量660cc以下)以外の乗用車がトップになるのは5年ぶり。20年まで4年連続首位だったホンダの軽自動車「N-BOX」は2位だった。
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した。首位のヤリスは前年比40.3%増の21万2927台だった。
ヴィッツの後継車として20年2月に発売されたヤリスは燃費性能、安全運転支援機能などを高めた一方、100万円台前半からと軽自動車並みの手ごろな価格帯が支持を集めた。
プリウスなどに乗るシニア層がより小さい車に乗り換える「ダウンサイジング」の受け皿にもなった。軽以外が首位となるのは16年の「プリウス」以来、5年ぶりだ。

2位のN-BOXは前年比3.6%減の18万8940台。3位はトヨタの「ルーミー」で、前年比54.5%増の13万4801台だった。20年9月のマイナーチェンジの際、姉妹車の「タンク」が廃止されたことで、ルーミーに人気が集中した。
軽を除く上位10車種では、ヤリスをはじめとしたトヨタ車が8車種を占めた。多目的スポーツ車(SUV)の「カローラクロス」や小型車の「アクア」など新型車が販売を押し上げた。
東海東京調査センターの杉浦誠司氏は「トヨタは新型コロナウイルス禍でも計画をずらさずに新型車を出し、SUVなど人気の高い車をフルラインアップで展開できた。サプライヤーも含めた企業の総合力が生かされた」と指摘する。
電気自動車(EV)では、日産自動車の「リーフ」が前年比3.9%減の1万843台で首位だった。