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オミクロンの再感染「デルタの3~8倍」 英の初期調査

英保健安全局は10日、新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」はデルタ型に比べ、再感染や家庭内感染のリスクが高いとの調査結果を公表した。まだ少数の感染者を対象にした初期段階の分析だが、免疫をすり抜けて感染する「免疫逃避」の性質がオミクロン型の感染拡大の一因となっている可能性が強まってきた。

保健安全局が11月20日~12月5日のデータを調べたところ、オミクロン型の感染者361人のうち25人が新型コロナへの再感染、デルタ型では約8万5千人のうち336人が再感染だった。年齢や地域などの要因を統計処理すると、オミクロン型の再感染リスクはデルタ型の5.2倍(3.4~7.6倍)となった。分析値は今後のデータで変動する可能性があるが、オミクロン型は免疫を突破して再感染しやすくなっているようだ。

家庭内感染のリスクも上昇している。感染者から家庭内の接触者にうつる二次感染リスクはデルタ型の10.7%に対し、オミクロン型では21.6%と約2倍だった。今回はワクチン接種や過去の感染歴を考慮していないため、免疫の詳しい影響は分からないが、デルタ型より感染が拡大しやすくなっている。家庭内の二次感染リスクは追跡しやすいことから、ウイルスの感染力を知る重要な指標として知られている。

現在、英国のオミクロン型の感染者は約3日で倍増している。このままのペースだと、12月半ばにはデルタ型の感染者数を上回り、半数以上を占めると同局は予想する。南アフリカはデルタ型の感染者が少ない中でオミクロン型が急拡大する状況だったが、デルタ型の流行が続く英国でもオミクロン型の感染者が増えている。

一方、保健安全局は新型コロナワクチンの追加接種(ブースター接種)に一定の発症予防効果があるとの分析も示した。血中の抗体などの働きを調べる試験管レベルの実験の報告がこの数日で増えてきたが、実際の感染者を対象にした調査は初めてだ。

ワクチンを2回接種した人では発症を防ぐ効果がデルタ型に比べて有意に下がっていた。だが、追加接種を受けた人では70~75%の効果があった。まだ小規模なデータに基づく初期分析のため、追加接種の効果がどれぐらい持続するかなど、さらなる調査が必要だ。再感染や家庭内感染といった感染力の分析も含め、今後のデータによって数値は大きく変動する可能性がある。

米疾病対策センター(CDC)も10日、オミクロン型の感染者43人の症例を分析した報告を公表した。43人のうち8割はワクチンの接種を完了していた「ブレークスルー感染」で、そのうち14人は追加接種も受けていた。入院は1例だけで、せきや倦怠(けんたい)感、鼻づまりなどの軽い症状が多かった。

英国で見つかったアルファ型、インドで見つかったデルタ型でも、英米の初期の分析結果に世界が注目し、対策に役立てた。日本はまだオミクロン型の市中感染は確認されていないが、デルタ型の感染者は発生している。水際対策でオミクロン型の侵入を抑えながら追加接種を進め、マスクや換気などの感染対策も続けて備える必要がある。

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