営業支援のカクトク、中小開拓へ4億円調達

営業代行支援システムを手掛けるカクトク(大分県別府市)はベンチャーキャピタル(VC)などから新たに約2億円を調達した。同社の資金調達額は累計約4億円。月額20万円からと低コストで活用できる営業代行の仕組みで中小企業向けの認知拡大やシステムの改善に投資する。現在約800の利用企業数を1年後に3倍程度に拡大することを目指す。
VOYAGE VENTURES(ボヤージュベンチャーズ、東京・渋谷)やセゾン・ベンチャーズ(東京・豊島)、朝日メディアラボベンチャーズ(東京・中央)などがカクトクのJ-KISS型新株予約権を引き受けた。
カクトクはフリーランスの営業担当者約1万人と営業の担い手を求める企業約800社をつなぐ事業を手掛ける。中小企業などでは営業の専門家が社内におらず、採用しようとしても人件費などが過大になる場合もある。カクトクでは月額20万円からオンライン営業代行などを利用できる。満田聖也代表は「1人分の半分程度の業務量が必要な場合などにも柔軟に対応できる」と話す。
これまで自社で営業活動をしていなかった中小では外部の新規顧客を開拓したくてもどんな手法を使えばよいか分からないことが多い。カクトクではまず利用企業から30分程度の面談で営業のどんな点に困っているかを聞き取って要件を整理する。これを1万人の営業担当者が登録する自社のプラットフォームに掲載して適切な営業手法を持つ人と引き合わせる仕組み。電話営業や広告配信といった戦略の立案から支援できる。
カクトクの中小企業向けサービス「カクトクコネクト」は2020年7月にサービスを開始した。新型コロナウイルス禍で事業環境が変わり新規の営業手法を求める中小など800社が利用するようになった。認知度拡大や利用者同士が互いを評価し合う仕組みなどの開発に投資し、1年後に利用企業数を2500社程度に広げたい考えだ。