名古屋市、小中学生の端末使用停止 履歴収集に指摘
名古屋市は10日、市内の小学校と中学校に対し、在籍する小中学生に配布しているタブレットの使用を一時中止するように通知した。市はタブレットの操作履歴ログを収集してサーバーで保管しており、これが市の個人情報保護条例に違反している疑いがあるため。
きっかけは9日の市議会において「児童や生徒に目的を明らかにしないまま操作履歴を記録することは、市の個人情報保護条例に違反するのでは」という指摘を議員から受けたことだった。市は違反に当たるかを慎重に検討するため、「9日夜にいったん利用を停止することに決めた」(名古屋市教育センター学校情報化支援部)。
学校情報化支援部は操作ログを収集していたことは事実とした上で、「収集目的は、児童や生徒の安全を考え、何かインターネット上でトラブルに巻き込まれた際に利用状況を知るためだった」と回答した。利用再開の時期は違反の有無によって変わるとし、現状では未定とした。
名古屋市では2021年1月ごろからタブレットの配布を始め、これまでの配布台数は約7万台になっている。
(日経クロステック/日経コンピュータ 松浦龍夫)
[日経クロステック 2021年6月10日掲載]
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