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閉経前の女性、肥満だと乳がんリスク低く 東京大学

東京大学大学院医学系研究科の小西孝明氏や瀬戸泰之教授らは、閉経前の女性は肥満だと乳がんの発症リスクが低いとする研究結果を発表した。閉経後の女性では逆に肥満だとリスクが高いことが分かっている。欧米でも同様の傾向が報告されており、乳がん発生の仕組みの解明につながる可能性がある。

国内で2005~20年に健診でBMI(体格指数)を測った45歳未満の女性約79万人のデータを解析した。健診から中央値で3年以内に乳がんの診断を受けたかを調べ、BMIとの関係を分析した。BMIの中央値は20.5だった。日本人女性の9割以上は45歳以降に閉経を迎えるとされ、今回の研究は主に閉経前の女性を調べたことになる。

調査対象の0.7%にあたる約5600人が乳がんの診断を受けていた。BMIが22の人と比べると、22より高い人では乳がんの発症リスクが低いことが分かった。BMIが25以上の肥満の人はリスクが約2割下がっていた。一方、BMIが22よりも低い人では22の人とのリスクの差はほぼ無かった。一般にはBMIは22付近が病気になりにくい望ましい値とされ、25以上では糖尿病など生活習慣病のリスクが高まるとされる。

欧米では肥満が閉経前の女性の乳がん発症リスクを下げることが分かっているが、日本など東アジアは逆の傾向である可能性が指摘されていた。そうした可能性を示す研究では対象者を閉経前と後とに分類する際の基準に問題があるとの指摘もあった。人種間で発症者の特徴に差がないと分かれば、乳がんの発生の仕組みの解明に近づく。東大の小西氏は「今回の研究で乳がんと肥満との関係が確定したわけではなく、今後他のデータでも検証すべきだ」と話す。

乳がんの発生には卵巣や脂肪細胞で作られる女性ホルモンが関わるとされる。閉経後は主に脂肪細胞がホルモンを作るようになるため、肥満だと乳がんのリスクが高まることが知られている。ただ閉経前に逆の関係がみられる理由は今のところ不明だ。

新型コロナウイルス感染症の流行でがん検診の受診者数が減り、がんによる死亡者数の増加が懸念されている。東大医学部付属病院乳腺・内分泌外科の医師を務める小西氏は「40代からは乳がん検診を確実に受けてほしい。早期の発見と治療につながるよう、セルフチェックは20代ごろから実施してほしい」と話す。

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