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鉄道大手16社、業績回復に差 東急や京急は黒字浮上

4~6月最終 不動産事業が貢献

鉄道大手の業績回復に格差が出ている。11日に出そろった主要16社の2021年4~6月期の連結決算で、東急など9社は最終損益が黒字に浮上した。前年同期は全社が最終赤字だったが、不動産事業などが回復に貢献している。一方、新型コロナウイルス禍は引き続き重荷で、鉄道事業の比率が大きいJR西日本とJR東海は緊急事態宣言など人流制限が響き、22年3月期通期の業績予想を下方修正した。

鉄道事業は低迷が続くなか、不動産など非鉄道事業の貢献で明暗が分かれた

東急が11日に発表した21年4~6月期の連結決算は、売上高にあたる営業収益が前年同期比5%減の1991億円、最終損益が93億円の黒字(前年同期は201億円の赤字)だった。鉄道事業の輸送人員はコロナ禍が直撃した前年同期に比べ33%増加、東京都内の遊休地の売却益約140億円が利益を押し上げた。

16社全体でみると、4~6月期の合計売上高は19%増の2兆397億円で、最終損益は1097億円の赤字(前年同期は4786億円の赤字)に縮小した。不動産売却益や負ののれん発生益といった特別利益も寄与した。

もっとも、コロナ禍のなかで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置といった人流制限の施策は続いている。減価償却費が減った東急と電気料金の見直しで動力費などを圧縮した東武鉄道を除く14社は、鉄道などの運輸系事業が部門営業赤字となった。

特に影響が大きいのが、運輸事業が売上高に占める割合が高いJR各社だ。いずれも在宅勤務などの定着に伴い、定期収入が低迷している。利益率の高いJR東海の東海道新幹線の収入は、コロナ禍の影響がない19年4~6月期に比べると7割減った。

JR西と東海は22年3月期通期の業績予想を下方修正した。JR西は「緊急事態宣言期間の延長などで、期初に想定した鉄道利用の回復は困難だ」(坪根英慈取締役)として、最終損益見通しを815億~1165億円の赤字(従来予想は30億円の黒字)に引き下げた。JR東海は「旅客需要の回復は想定より2カ月ほど遅れる」(金子慎社長)とみており、引き続き苦戦を強いられている。

鉄道大手は鉄道のほか、ホテルやレジャー、流通、不動産といった事業を幅広く展開している。コロナ禍のなかでも不動産事業は「安定的に収益を出せている」(東急)。住宅の販売や賃貸を手掛け、鉄道やレジャーに比べると人流の影響を受けにくいためだ。

コロナ禍前に不動産事業が売上高の3割強、営業利益の5割を占めていた京阪ホールディングス(HD)も4~6月期の最終損益が7億円の黒字(前年同期は34億円の赤字)に浮上。「オフィス向け物件の一棟売却や沿線外のマンション販売などが好調」(同社)で、不動産事業の部門営業利益は前年同期に比べ66%増えた。最終損益が32億円の黒字(同189億円の赤字)に転換した阪急阪神ホールディングス(HD)も不動産事業の賃料収入が増えた。

コロナ禍のなかでワクチン接種は進むものの、感染拡大に歯止めはかかっていない。不動産事業を巡ってもオフィスビルの空室率が上昇するなど、先行きは不透明な状況だ。各社は収益源の多角化に向け、テレワーク向けブースやシェアオフィスといった事業の拡大を急いでいる。

(岡田江美、高崎雄太郎)

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