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自動運転車が変える意外な業界 ホテル・航空…

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CBINSIGHTS
自動運転車への移行が産業に与える影響は、自動車や運送業界にとどまらない。現在は自動車を運転している時間を仕事や睡眠などに充てることができるためだ。自動運転車の普及により意外な影響が出る業界をCBインサイツが調べた。

業界専門家はかつて、自動運転車は2021年には普及していると予測した。こうした車の公道での走行はまだ一般的にはなっていないが、このテクノロジーは今後20年のどこかの時点で主流になるだろう。この移行に直面する準備は既に始まっている。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

米グーグルや米アップル、独メルセデス・ベンツなど大手企業40社余りが既に自動運転車の開発に励んでいる。テック企業や自動車メーカーは明らかに利益を得る立場にあるが、その他の多くの業界は自動運転車が市場にもたらす多くの変化に適応できなければ深刻な混乱に見舞われる可能性がある。

自動運転車の出現で意外にも影響を受ける3つの業界を取り上げる(CBインサイツの英語版リポートでは、フィットネスなど意外に影響を受けるそのほかの業界に加え、トラック輸送など明らかに揺らぐ業界など合わせて33の業界を取り上げている)

コワーキングスペース

在宅勤務について耳にしたことはあるだろう。新型コロナウイルスの感染拡大前から労働力の分散化についての議論はあったが、おおむね試験的だとみなされ、導入している組織はごくわずかだった。ところが、パンデミック(世界的大流行)に伴うロックダウン(都市封鎖)でこのトレンドは加速し、必要に迫られて現実になり、多くの人に働き方や働く場所の見直しを迫っている。

コワーキングスペースは拠点となるオフィスがなく、家で仕事がしづらい場合に使われる傾向がある。このため、自動運転車での移動中に多くのタスクをこなせば時間の節約になる一方、家から離れたいが他の人が多く、気が散りやすいオフィスに行くのも避けたい人が生産的に活用する可能性もある。スマートスクリーンやインターネット接続など自動運転車の特長や機能が急速に進化していることを考えると、移動オフィスの設備を備えた非常に柔軟で全く新しい職場が生まれる可能性がある。

ホテル

ホテル業界は将来的には様変わりしている可能性がある。米マリオット・インターナショナルなど大手ホテルチェーンは既に米エアビーアンドビーのような代替宿泊施設の台頭に対応するため、民泊システムを導入している。さらに自動運転車が普及すれば、車での移動の途中に1泊していた別の主要顧客層も奪われる可能性がある。

現に、カナダの設計事務エイプリリ・デザイン・スタジオ(Aprilli Design Studio)は最大5人が泊まれる自動運転車の移動ホテルを概念設計している。同社の創業者スティーブ・リー氏は自動運転車に加えて人工知能(AI)とビッグデータを活用することで、ホテル業界を変革できる可能性があると話す。同社は30年までに移動ホテル車を実用化したい考えだ。

航空

自動運転車による大陸横断旅行はすぐには実現しないようだが、特に新型コロナの収束後も飛行機の利用を控える動きが続けば、国内や短距離のフライトは自動運転車による大きな脅威にさらされる可能性がある。米マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、飛行機での旅行がコロナ前の水準に戻るのは23年以降になるだろう。

自動運転車の普及により車での旅がもっと便利になれば、多くの人が近場の旅行では手続きが煩わしい飛行機よりもオンデマンドの配車サービスを選ぶようになるかもしれない。米エンブリー・リドル航空大学の定期刊行物「IJAAA」の調査では、旅行者は車で7~11時間かかる中距離の旅では飛行機よりも自動運転車を使うようになる可能性が高いことが示された。こうしたケースでは、自動運転車での旅行の選択肢が与えられると、飛行機を選んだ人は30%近く減った。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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