富士フイルム、コロナ肺炎の画像診断支援 AIが解析

富士フイルムは10日、新型コロナウイルス感染症の診断を支援するソフトウエアを発売すると発表した。患者のコンピューター断層撮影装置(CT)画像を人工知能(AI)が解析し、新型コロナによる肺炎の可能性を評価する。AIによる画像診断支援で検査の負担軽減や効率化に結びつける。
医師の診断を支援するソフトウエア「COVID-19肺炎画像解析プログラム」を開発した。同社が手掛ける3D画像解析システム「シナプスヴィンセント」向けのアプリとして15日に発売する。新型コロナでは胸部CT画像で肺にすりガラスのような陰影や網状の陰影などの特徴的な影が写ることがある。AIが画像を解析し、こうした特徴を持つ可能性を高・中・低の3段階で医師に提示する。また、特徴がみられた部分を自動で色づけして3D画像で表示し、医師の最終的な診断を支援する。
せきや熱といった症状があるもののPCR検査で陰性となった場合など、PCRなどだけでは新型コロナの判断がつかない場合などに有効だ。シナプスヴィンセントは中規模以上の病院を中心に国内で約1400施設に導入されており、追加料金を払うことでアプリを導入できる。シナプスヴィンセントを導入していない場合の導入費用は税抜き価格620万円から。