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三菱電機、止まらない不祥事「不正検査問題まとめ読み」

三菱電機の不祥事が止まりません。労務問題に品質不正などが相次ぎ、6月29日には鉄道車両向け空調装置において、35年以上にわたる不正検査の問題が発覚しました。7月2日に記者会見した三菱電機の杉山武史社長は組織的な不正行為と認め、引責辞任を表明する事態となりました。外部の弁護士を起用した調査委員会を発足し、原因究明や再発防止策の策定に乗り出しました。

三菱電機は1921年、三菱造船神戸造船所の電機製作所を母体に設立され、今年で創立100周年の節目を迎えました。三菱グループの長男格の三菱重工業と同じように、ものづくりの現場である「製作所」を軸とする事業部門が、強い権限をもつ経営が続いてきました。企業風土の問題を問われた杉山社長は「顧客との関係より自分たちの論理を優先する業務の進め方だったということが問題」と述べました。

1952年には「品質奉仕の三菱電機」という社是を制定し、「品質第一」を経営の根幹とまでしていました。それだけに、35年以上も組織的に不正検査が引き継がれてきた事実に、社内外で衝撃が広がっています。かつては電機産業で事業の選択と集中で先行し、「優等生」と評された三菱電機がのぞかせた別の顔に社会は驚きました。これまでの関連記事をまとめました。

三菱電機、鉄道車両空調で「不適切」検査 30年以上か

三菱電機は29日、鉄道車両向け空調装置の一部機種で「不適切な検査」を行っていたと明らかにした。製造を担う長崎製作所(長崎県時津町)で架空の検査データを顧客に報告するなどしており、不適切な検査は1980年代から30年以上続いていた疑いがある。該当する製品の出荷はすでに停止し、調査や顧客への説明を進めている。

「殿様」三菱電機、内向き志向が生む不祥事の連鎖

三菱電機で製品検査の不祥事がまた発覚した。鉄道車両向け空調装置について30年以上、架空の検査データを顧客に報告していた疑いがある。同社は近年、品質不正や労務問題が頻発しており、「殿様」とも「公家体質」とも評される内向き志向が不祥事の温床となっている可能性がある。自ら傷つけた信用を取り戻すには企業風土の抜本改革が欠かせない。

三菱電機、鉄道用の空調装置以外でも不適切検査

三菱電機は30日、鉄道のブレーキなどに使う空気圧縮機でも「不適切」な検査があったと発表した。10年程度にわたり1000台を出荷した。鉄道用空調装置の不適切検査に関する調査の過程で分かった。相次ぐ不祥事の発覚に鉄道会社など取引先は対応に追われ、具体的な説明を求める声が出ている。

三菱電機、80年代から偽装プログラム 悪質性高く

三菱電機の鉄道用空調装置などを巡る「不適切」検査が、組織的に行われてきたことが鮮明になってきた。架空のデータを自動で生成する専用プログラムを、遅くとも1980年代から使うなど、悪質な手口が明らかになった。過去数年、不祥事が相次いだ際にも調査や処分を徹底しておらず、体質が改善されなかった。

東急「追加検査を検討」 三菱電機製ブレーキ設備を点検

三菱電機本社

東急など鉄道各社が、車両のブレーキ設備を点検する。三菱電機がブレーキに使う空気圧縮機で不適切な検査をしていたことが発覚し、国土交通省が1日までに鉄道会社に対して一斉点検を要請した。三菱電機は「安全性に問題はない」と説明するが、不適切検査の全体像は依然判明せず、今後の対応について鉄道各社が頭を悩ませている。

三菱電機、杉山社長が引責辞任へ 検査「組織的不正」

記者会見する三菱電機の杉山社長(2日、東京・丸の内)

三菱電機は2日、鉄道用装置の不正検査問題に関する記者会見を開き、杉山武史社長が組織的な不正行為と認めたうえで引責辞任を表明した。鉄道車両向け空調装置での不正検査は35年以上にわたって続けられた。経済発展に不可欠な生産革新やインフラの高度化を支えてきた大手企業で不正が繰り返されたことは、日本のものづくりへの信頼に打撃となりかねない。

三菱電機、異常な35年不正 品質におごり独善続く

記者会見を終え、頭を下げる三菱電機の杉山社長(2日、東京・丸の内)

三菱電機で35年以上にわたる不正な品質検査が発覚した問題は、杉山武史社長が引責辞任する事態に発展した。長期にわたって異常な不正が放置されてきた背景には、事業部門の利益が会社全体や顧客よりも優先され、自浄作用が働きにくい縦割り組織の弊害がある。経営陣の刷新だけでは解決せず、企業統治を根本から立て直せるかが問われる。

不正「社内の常識、優先」 三菱電機社長会見詳細

記者会見する三菱電機の杉山社長(中)ら(2日、東京・丸の内)

三菱電機は2日、6月29日に明らかになった鉄道車両機器などの検査問題を巡って記者会見を開いた。出席した杉山武史社長は会見の場で辞意を表明した。新たなトップのもとで一連の検査問題を調査し、9月に結果を説明すると話した。おもなやりとりは以下の通り。

三菱電機、次期社長選び始動 7月中に臨時取締役会

記者会見する三菱電機の杉山社長(2日、東京・丸の内)

三菱電機は鉄道車両用機器の不正検査問題で杉山武史社長が辞意を表明したのを受け、後任選びに入る。7月内をメドに臨時取締役会を開いて決める。杉山社長は2日の記者会見で「後任にふさわしい人材は三菱電機内に十分いる」と話し、社内から選びたい考えを示した。

三菱電機、空調装置を海外15カ国に納入 当局の調査も

米ニューヨークの地下鉄=小高顕撮影

三菱電機の不正検査問題で、鉄道車両向け空調装置の海外の最終納入先が約15カ国に上ることがわかった。不正に検査された装置が納入された可能性がある。これまでに米ニューヨーク市の地下鉄などに納入実績がある。過去の品質不正問題では米当局が調査に乗り出したケースがあり、海外当局の動向が今後焦点の一つとなる。

三菱電機、月内に第三者調査開始「うみ出す最後の機会」

三菱電機で品質管理を統括する竹野祥瑞常務執行役は6日、日本経済新聞の取材に対し、不正検査問題を受けて設置した第三者による調査委員会の調査を月内に始める考えを示した。「今回の調査が膿(うみ)を出し切る最後のチャンスだ」と述べた。検査データを恣意的に扱えないよう、データを自動で入力するシステムなどを導入する。

三菱電機、品質担当役員「物言えない風土が問題の根」

三菱電機の竹野祥瑞常務執行役(6日午前、東京・丸の内)

三菱電機で品質管理を統括する竹野祥瑞常務執行役(生産システム本部長)は6日、日本経済新聞の取材に対し、品質を巡る不正を見つけられないのは「根っこには上司に伝えにくいというコミュニケーションの問題がある」と指摘した。再発防止策として「企業風土の再醸成と(不正を防ぐ)システムの導入という両面が必要だ」との考えを示した。一問一答は次の通り。

NY地下鉄、三菱電機に不正検査で情報要求 2600両使用

【ワシントン=鳳山太成】三菱電機の不正検査問題で、米ニューヨークの地下鉄を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)は7日、三菱電機に安全性や品質への具体的な影響など追加の情報を要求したことを明らかにした。必要ならば、修復も求める。三菱電機の不正検査は日本の鉄道インフラ輸出に影を落としかねず、海外に向けての説明責任が求められる。

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