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NTTぷらら、ゲームに特化した低遅延ネット接続提供

日経クロステック

NTTぷらら(東京・豊島)は9日、同社が運営するインターネット接続サービス「ぷらら」において、ゲーム対戦競技「eスポーツ」などゲーマーにとって最適なネットワーク環境を実現するオプションサービス「GGGG光」の提供を同日開始すると発表した。

Ping値(ネットワークの応答速度を表す数値)の改善を追求したサービスで、例えばFPS(一人称視点シューティング)など対人対戦ゲームを好む人の利用などを想定する。

サービス名称は、ゲーマーのネットスラング(俗語)で対戦後のあいさつに使うGG(グッド・ゲーム)に由来する。遅延(ラグ)を気にせずに満足のいく環境でプレイをし、グッド・ゲームを繰り広げてほしいという思いを込めた。

eスポーツの中でも例えばFPSなどでは一瞬の攻防が勝敗に影響を与えることがある。NTTぷららによれば、ゲーマーはゲーム内で表示されるPing値を遅延の指標としており、Ping値を10ミリ秒以下にすることを求める。NTTぷららに対しても、ゲーム利用に特化した通信環境を提供してほしいといった要望が数多く来ていた。

そこで同社は、ゲームエイジ総研(東京・渋谷)と調査を実施。遅延の解消となるなら回線の追加料金を支払ってもよいと思うゲーマーが約350万人いると推計した。

そこで、100人を超えるテスターを募集し、9月から約2カ月間にわたりクローズドな形でβテストを実施した。テスターからのフィードバックを基に ネットワーク設計の改善を繰り返し行い、ゲーマーの期待に応える価値を提供できると判断し、商用化を決めたという。

新サービスでは、ゲーミングネットワークの極みを目指した。具体的には、回線の速度だけはなく、「Ping値の徹底した改善を追求し、ゲーマーが本来の力を発揮できる環境を提供することにこだわった。全国でサービスを展開するフレッツ系のプロバイダーとして、ゲームに特化したサービスを提供したいと考えた」(NTTぷらら営業本部営業部営業企画担当マネージャーの丹羽健吾氏)と説明する。

動画やダウンロードの帯域制御

ポイントは3つある。1点目は、パケット損失を抑止するための帯域コントロールである。「IPoE(IPv4 over IPv6)」と呼ぶ新方式で専用の広い帯域を設けるのはもちろんのこと、さらに通信環境に影響が大きい動画、ソフトウエアダウンロード、P2P(ピアツーピア)交換ソフトのトラフィックの帯域をやや大胆に制御することにした。

ここは大きなポイントの1つだったと丹羽氏は説明する。FPSなどを楽しむゲーマーの多くは、ゲームと並行して動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」を使っていることが事前の調査で分かっていたためだ。

YouTubeでは回線の状況に応じて画質を自動制御する機能があるが、βテストを行うなかで動画を制御しても7割程度で1080pあるいは720pといった一定以上の画質を維持できたことと、利用者からの声は「動画の画質が落ちるよりもゲームのプレイの快適性の方が大事」という内容が大半を占めたことから、制御することに踏み切った。

ソフトウエアダウンロードも、同様に議論になったという。ゲームソフトのダウンロードおよびアップデートに必要なデータ容量は何十ギガバイトというケースもあり、利用者の高速化へのニーズは大きいからだ。

「βテストで帯域を調整して利用者の声を聞いて突き詰めた結果、ここに手を付けないとプレイ中のPing値を下げる効果が不十分と判断した。捨てるところは捨てないと、特化したサービスはできない。メリハリを付けた」(丹羽氏)という。

2点目のポイントは経路の短縮である。大手ゲームタイトルが用意する国内サーバーへの経路を短くし、遅延の主要因となっているサーバーへのホップ数の最小化を図った。例えば、国内のゲームサーバー向けの通信経路として、IX(インターネット・エクスチェンジ)にJPNAPを選択したのも、ホップ数の最小化を図るためだ。

3点目のポイントが豊富なポート数の割り当てである。 IPoE(IPv4 over IPv6)接続では、一般にポート数は制限されるが、このサービスでは同社の一般サービスのポート数(非公開)よりはるかに多い1万2800ポートを割り当てた。家庭内で複数の端末を接続したり、1台の端末で多数のアプリケーションを立ち上げたりしていてもゲームの遅延や切断を起こしにくくする狙いである。

「βテストで、一部の利用者で従来のポート割当数では足りず、それ以上のポート数を消費していることが分かった。テスターからは、外部のサーバーの接続を試してみたところ、1万ポート以上を同時利用できて安心したという評価の声をもらった。マニアックではあるが、地味に非常に大きい武器だし、利用者に価値を感じてもらえると分かったので、今回こだわった」(丹羽氏)

このオプションの利用料金は1320円(税込み)。2022年5月末までに申し込むと、24カ月の間は990円(同)で利用できる。

加えて、このサービスは特化性が高く、利用者のゲーム利用状況や環境によって実感できる効果が異なることから、最大2カ月の無料期間(解約時の違約金はなし)を用意した。

「βテストにおいて、Ping値の向上を実感した割合は73%だった。たまたま、既にPing値が低いエリアに住んでいる人がこのサービスを契約しても必ずしも品質の向上を体感できるわけではない。関心のある方に使ってもらい、向上を実感できた方にぜひ契約してほしいという思いで、お試し使用できる期間を用意した」(丹羽氏)

(日経クロステック/日経ニューメディア 田中正晴)

[日経クロステック 2021年12月9日掲載]

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