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三菱電機、EV向け駆動装置事業に参入 量産化目指す

日経クロステック

三菱電機は9日、電気自動車(EV)向けのモーターとインバーター、歯車機構を一体化した「イーアクスル」事業に参入すると発表した。現在自動車メーカーと商談を進めており、近い将来の量産化を目指す。自社で手掛けていない歯車機構については、他社との協業などで調達する考えである。

自動車事業の説明会を同日に開いた。2025年度に電動化と先進運転支援システム(ADAS)の「重点成長事業」で売上高2500億円を目指すことも発表した。20年度は同事業で1000億円であり、2.5倍にする。目標達成について常務執行役・自動車機器事業本部長の藪重洋氏は「今ある話でかなり埋まっている」と明かし、現状決まっている受注の積み重ねで達成できそうだと自信を示した。

三菱電機は電動化技術開発の方向性として、低コスト化競争に挑むというよりは高効率化技術で差異化を図る方針である。「モーターやインバーターの損失を半分にできれば、高コストな電池容量を減らすことができる」(藪氏)と考える。例えばモーター巻線の高密度化や低損失な駆動制御技術、スイッチング素子へのシリコンカーバイド(SiC)の採用などを進めていく。

電動化技術については、電池電圧を800ボルトに高める潮流に沿った製品開発も検討しているという。現状は400ボルト前後。電圧を2倍近くに高めることで充電時間を短縮し、モーターやインバーターを小型化できる。

25年度の重点領域における売上高目標である2500億円の内訳については、電動化で1500億円、ADASで1000億円と明かした。ADASについては「これから成長期に入る」(藪氏)と見込む。例えば自動運転レベル1と2の搭載車両が25年に8割、30年には9割以上に達するとみる。また30年以降には、限定領域におけるレベル4の自動運転が広がるとも考える。

三菱電機は25年度の自動車事業全体の売上高目標について、20年度実績比1400億円増の8000億円を掲げた。競合のメガサプライヤーは1兆円超の売上高規模がざらで、三菱電機は規模で劣る面がある。

ただ三菱電機はメガサプライヤーと異なり、多くの自動車メーカーから少しずつ受注した製品の技術を共通化・標準化する形で「規模」を拡大してきた。メガサプライヤーのように系列取引の中で大量に受注し、事業を拡大してきたわけではない。藪氏は「今後もこれまで同様の戦略で生き残っていく」と意気込んだ。

(日経クロステック 清水直茂)

[日経クロステック 2021年11月9日掲載]

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