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米GE、会社3分割 航空エンジン・医療機器・電力に

(更新)

【ニューヨーク=中山修志】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は9日、会社全体を航空機エンジンと医療機器、電力の3事業に分割すると発表した。2023年に医療機器、24年に電力部門を分社化する。本体で航空機エンジンを担う。多角化によって企業価値が抑えられる「コングロマリット・ディスカウント」を避け、事業の専門性を高めて投資を呼び込む。

GEは11月初旬に子会社のGEキャピタルが手掛けていた航空機リース事業の売却を完了し、金融事業から事実上撤退したばかり。新型コロナウイルス禍に伴う航空機市場の悪化や火力発電への逆風など事業環境の変化が激しくなるなか、複合経営を続けるメリットが薄まったと判断した。

23年初頭に医療機器部門を分割し、GE本体が19.9%を保有する。24年初頭には火力発電と再生可能エネルギー、デジタル部門を合わせて電力事業会社として分社化する。本体には航空機エンジン事業を残し、ラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)が引き続き経営を担う。GE本体に加え、分社する2社も株式上場を計画している。

GEは過去に手掛けた金融事業や電力部門の買収案件で巨額の損失を計上し、18年10月に外部出身のカルプ氏をCEOに招いて事業リストラを進めてきた。鉄道車両やバイオ医薬、祖業である電気照明など複数の事業を売却し、GEの中興の祖であるジャック・ウェルチ氏が注力した金融事業からも撤退した。

カルプ氏は当初、中核として残した航空機エンジンと医療機器、電力の各事業は相乗効果が高いと主張し、分社化に消極的だった。だが新型コロナ危機に伴う旅客機の需要減で稼ぎ頭だった航空機エンジン事業の収益が悪化。欧州を中心に火力発電を撤廃する動きも広がった。アクティビスト(物言う株主)のトライアン・パートナーズなど投資家から分社化を求める圧力が強まっていた。

カルプCEOは9日の発表資料で「世界はいま、航空と医療、エネルギーのそれぞれの分野で課題解決に最善を尽くすことを求めている」と分社化の理由を説明。「事業分野ごとに焦点を絞り、投資配分を決めることで企業価値を高める」と強調した。

世界の複合企業では独シーメンスが医療機器や電力部門の分社化に踏み切ったほか、日本の東芝も主要事業ごとに3つに分割することを検討している。自動車メーカーに対しても電気自動車(EV)や自動運転部門の分社化を求める投資家の声があり、技術的な優位や事業の将来性を見据えた再編が広がる可能性がある。

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