商船三井、風を利用してつくった水素でヨットを航行
商船三井は9日、風を利用してつくった水素でヨットを航行する実証実験を成功させたと発表した。強風時には風力で航行しつつ、風力を使い水中タービンで発電する。水素を船上で生産・貯蔵し、燃料電池を発電させて船を動かす。2030年までに大型船での技術活用を目指す。

20年11月に始めた「ウインドハンタープロジェクト」の一環で、大内海洋コンサルタントや日本海事協会、海上技術安全研究所などと技術開発を進めてきた。11月24日から計5回の試験航行をした。
風による発電で水素を生産、貯蔵し、水素をつかった燃料電池で発電、電動プロペラで推進する、という一連のサイクルを成功させた。24年までに長さ60メートル級の帆船で実証し、30年までに大型貨物船の開発や建造に踏み切りたい考え。
商船三井は国内海運大手としていち早く、50年に温暖化ガス排出実質ゼロという目標を掲げた。重油より二酸化炭素(CO2)を約25%削減できる液化天然ガス(LNG)などに燃料を切り替えるとともに、水素やアンモニアなどを活用した次世代船の開発を急ぐ。

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