Hacobu、BIPROGYからトラックの出入庫管理事業を取得

物流スタートアップのHacobu(ハコブ、東京・港)は27日、BIPROGY(ビプロジー、旧日本ユニシス)から物流施設へのトラックの出入庫を管理する「バース予約システム」事業を4月1日付で取得すると発表した。取得額は明らかにしていない。
同システムは物流施設の「バース」と呼ばれる荷さばき場に、トラックが入場する時間をオンラインで予約する。伝票確認や検品などを省力化し、トラックの待機時間を減らして渋滞を緩和する。作業にかかった時間のデータ分析などもできる。

ハコブも「MOVO Berth(ムーボ・バース)」という同様の事業を持っている。導入施設数が約500拠点で、登録ドライバー数は約42万人。ミック経済研究所によると、同システムはハコブが導入拠点数のシェア首位で、ビプロジーが同4位という。
ハコブは2024年3月までにシステムを統合し、サービスを一本化する。両社は2月27日付で業務提携し、ビプロジーが代理店として同サービスなどを販売する。ハコブは物流デジタルトランスフォーメーション(DX)のコンサルに強みがある一方、ビプロジーは倉庫管理など物流システム開発が得意で、長所を生かした営業を進める。

矢野経済研究所によると、バース予約・受付システムの導入数は20年度の650拠点から21年度に1100拠点に増え、今後も伸びる見通し。24年4月からトラック運転手の労働時間規制が強化される「2024年問題」を背景に、ドライバーの負担を軽くするニーズがあるとみられる。
ハコブの佐々木太郎社長は「大企業からスタートアップが事業を譲り受ける先進的な事例で、新しいオープンイノベーションの形を作っていきたい」と語る。ビプロジーの佐藤秀彰業務執行役員は「物流基幹システム開発とハコブのコンサル力を連携させ、社会課題に向き合っていく」と話した。
ハコブは22年11月、ビプロジー傘下のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を引受先とする第三者割当増資で4億9000万円の調達をし、資本提携していた。
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