JERA、ハイブリッド債965億円発行

東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAは9日、資本と負債の中間的な性質をもつハイブリッド債(劣後債)を発行すると発表した。発行総額は965億円。年限は35~40年で、利回りは2.144~2.549%。発行額は35年債が653億円、37年債が92億円、40年債が220億円。5~10年で期限前償還ができる。
主幹事はみずほ証券、野村証券、大和証券など。格付投資情報センター(R&I)から「A-」、日本格付研究所からは「A」の評価を得た。JERAは当初起債を4本、上限4000億円の発行を予定していたが、世界的な金利上昇など調達環境の変化を受けて起債を3本に減らした。
JERAは資源高と円安で火力発電に使う燃料の調達費が急騰して業績が悪化した。財務負担を抑えつつ、脱炭素投資への資金を確保する。
劣後債は返済順位が低く株式に近い性質をもつ。会計上は負債として扱うが、格付け会社は発行額の一部を自己資本とみなす。普通社債などによる資金調達と比べて、信用格付けの維持や改善につながる。

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