上司こそルール違反に注意 先輩、それ違法です!総集編

ここ数年、働き方やハラスメントなど職場に関する法令や指針が次々に改正されています。新入社員などに社会人の心構えやしきたりを教える立場の上司や先輩が、いつの間にかルール違反を犯していることもあり得ます。「違法ですよ」と思わぬ指摘を受けないためにも、職場の慣習や自身の言動などに問題がないか再点検してみてはいかがでしょうか。
5月上旬に8回にわたってお届けした連載記事「先輩、それ違法です!」を、まとめました。
育児支援の新常識

1990年代後半、厚生省(現厚生労働省)が「育児をしない男を、父とは呼ばない。」というキャッチコピーで、育児支援のキャンペーンを展開したことがあります。それから20年以上がたち、従業員の育児支援に対して企業に求められる義務や責任も高まりました。例えば、「妻が妊娠しました」と報告した部下を祝福するだけでは義務違反です。育児休暇制度の説明や制度を利用するかどうかの意向確認までしなくてはなりません。
職場の多様性、柔軟に支える
現代社会において、従業員の顔ぶれや働き方には多様性が重視されるようになっています。ただ残業代の支給対象や個人情報の取り扱いなど、職場の慣習も合わせて変えていかなければ、誰もが働きやすい環境づくりにはつながりません。
ハラスメント対応、より厳しく

ハラスメントにまつわるルールも、見直しが続いています。「10年前は許された」などと身勝手な上司の論理がまかり通る職場は、優秀な人材から敬遠されるだけでなく、不適切な対応について慰謝料などを求められる訴訟に発展するリスクもはらみます。
再出発は気持ちよく

変化の激しいこの時代、転職を決意する場面もあるでしょう。企業サイドでも、採用方針の判断が難しくなっています。ただ一方的な内定取り消しや強引な退職の引き留めなど、企業の都合だけを押しつける対応は法的に問題になる恐れがあります。