シグマアイ、倉庫配置を量子技術で 高速と実証実験
量子コンピューター関連の研究開発をするシグマアイ(東京・港)と食品包装資材大手の高速は、量子技術を活用した物流倉庫の効率化に向けた実証実験を始めたと発表した。シグマアイが高速の受注データなどから千葉県の物流倉庫内の商材の配置図を作製した。その配置図をもとに、商材を移動した後の業務効率化の度合いを検証する。

シグマアイは入出荷の頻度、作業手順、保管場所の広さなどのデータを量子技術で計算する。搬出入用のエレベーターの周囲を中心に最適な商材を置く地図を作製する。実証実験の場所は高速の関東物流センター(千葉県柏市)の3フロアあるうちの3階部分で、広さは約3600平方メートル、箱数は約9000個が置かれているという。
高速は作製された地図で箱などの場所を入れ替え、作業員のピッキング時間や商材までの歩数データを2カ月程度かけて取得する。商材の入れ替え前後で作業効率の成果を検証する。高速は結果を踏まえ、ほかの物流拠点での展開を検討する。シグマアイは季節ごとの受注データなども組み込み、計算精度を引き上げる考えだ。