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富士フイルム、2期連続最高益 ヘルスケアが稼ぎ頭に

22年3月期

富士フイルムホールディングス(HD)は9日、2022年3月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比2%増の1850億円になりそうだと発表した。従来予想を100億円上方修正し、2期連続の最高益となる見通しだ。医療機器や医薬品の開発製造受託(CDMO)などヘルスケアが伸び、売上高、営業利益とも部門別で最も稼ぐようになった。これまでの積極投資が収益に結びつきつつある。

「ヘルスケアで、目標としてきた売上高1兆円が射程に入った」。9日開いた決算会見で、後藤禎一社長はこう話した。21年4~12月期にヘルスケア部門の売上高は前年同期比49%増の5767億円、営業利益は前年同期比2.1倍の753億円となった。これまで部門別で最も稼いできた事務機器などのビジネスイノベーション部門(売上高5591億円、営業利益422億円)を抜いた。

22年3月期も部門売上高は前期比39%増の7900億円、営業利益は79%増の1000億円となり、最大部門を維持する。9日に明らかにした同期の連結業績予想は売上高が14%増の2兆5100億円、営業利益が36%増の2250億円で、ヘルスケアが全体に占める割合はそれぞれ31%、44%となる見通しだ。

バイオ医薬品のCDMO事業や、細胞培養の栄養となる「培地」を手掛けるライフサイエンス事業が好調に推移する。バイオCDMOでは米国でのコロナワクチン候補の原薬製造が貢献する。21年4~12月期のCDMO事業の売上高は前年同期比5割増の1086億円と大幅に伸びた。

ライフサイエンス事業はバイオ医薬品向けの培地販売が好調で、21年4~12月期の事業売上高は2割増の885億円だった。

富士フイルムHDは祖業の写真フィルム事業で、市場が2000年をピークに急激に消失するなか「第二の創業」を掲げ、新たな収益の柱を模索してきた。成長領域の本命と定めたのが医療分野で、これまでバイオCDMOに計6000億円を投じるなど積極投資を続けてきた。

富士フイルムHDは9日、22年3月期の連結純利益予想を100億円上方修正し、従来予想から一転、増益見通しとした。ヘルスケアとともに貢献したのがイメージング部門だ。インスタントカメラ「チェキ」が好調で撮影に必要なフィルムの販売増も利益を押し上げている。

富士フイルムHDの収益について、東海東京調査センターの石野雅彦氏は「先行投資が数字に表れてきており、ヘルスケアを中心になお成長余地がある。今後の方向感が見えやすく、株価も上昇余地が出てきたのではないか」と評価する。

9日時点の富士フイルムの予想PER(株価収益率)は17倍台とオリンパス(26倍台)、テルモ(34倍台)など競合の医療機器メーカーと比べ割安感がある。目標である「総合医療メーカー」に近づくほど、市場の期待も高まりそうだ。

引き続き、てこ入れが必要なのは事務機などビジネスイノベーション部門だ。同部門の22年3月期の営業利益は前期比9%減の670億円と唯一減益になる見通し。半導体を中心とした部品不足が逆風になったが「印刷量の縮小という業界トレンドは今後も変わらない」(石野氏)。富士フイルムHDは21年3月末に米ゼロックスとの間で協業契約を打ち切った。市場が縮小するなかで、事業が成長軌道に乗るかは不透明だ。

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